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概要

エコジン08・09月号

「美しきごみ」をきっかけに世界に広がるビーチクリーンの輪ハッケン!ビーチマネーガラスの破片が海岸の岩や石などによって砕け、長い時間をかけて波にもまれることにより、美しい宝石のようになったものを「ビーチグラス」と呼ぶ。20 07年、このビーチグラスを「ビーチマネー」と名付け、地域通貨として活用することにより、海辺の環境に関心を持ってもらおうという取組が茅ヶ崎市で始まった。海辺でビーチグラスを拾い、近隣の加盟店舗に持ち込むと、商品やサービスと交換できる仕組みだ。参加者は徐々に増えつつあり、ビーチマネー運営事務局の堀直也氏は「新たに取組が始まった地域でも、自主的にビーチのごみ拾いをするグループが増えています。趣旨に賛同してくれる仲間の輪が、世界中に広がってくれるといいですね」と話す。ビーチマネーの活動は9年目を迎え、湘南エリアでは当初4 2店だった加盟店舗が123店まで増えた。暮らしに密着した楽しいアイデアでレジ袋や過剰包装を減らす茅ヶ崎市商店会連合会ハッケン!上/傘の生地によってデザインが変わるエコ傘マイバッグ。下/海をモチーフにデザインされたハレの日パッケージの包装紙。環境に配慮したまちづくり「エコシティ茅ヶ崎」を合言葉に、壊れて使えなくなった傘をエコバッグとしてリサイクルする「エコ傘マイバッグ」や、普段の買い物では包装を減らし、記念日や贈り物など、特別な日だけに商店会オリジナルの包装・シールを用いるという「茅ヶ崎ハレの日パッケージ」などを推進している。これらの取組が始まって約10年、新商品として、自転車のカゴに装着できるタイプの「自転車用キャリーバッグ」も登場。茅ヶ崎市商店会連合会エコバッグ委員会の吉村洋子委員長によると、「マイバッグはお客様の間でも好評で、現在では年間1,000枚ぐらい売れています」とのこと。買い物客との距離が近い商店街ならではの特徴を生かした取組は、着実に地域に根付いている。新旧の住民がゆるやかに共生するエコでスローな湘南暮らし茅ヶ崎は明治以降、鉄道の開通にともない、保養・療養のために拓かれたまち。その歴史が示すように、海辺特有のまばゆい光と、松林を吹き抜ける風が心地よい。生まれ育った茅ヶ崎という土地に愛着を持ち、地域の祭りや行事などにも積極的に参加する古くからの住民と、“湘南茅ヶ崎”のイメージにあこがれ、移住して湘南ライフを楽しもうという人たちが、新たなコミュニティのかたちを模索している。ゆったりと流れる時間の中で、子育てをする人、充実したスローライフを楽しむ人……それぞれが自分流のライフスタイルを創造していくまち。「人と人とのつながりを大切にしたい」、そんな気持ちがエコな暮らしにつながっているのかもしれない。29