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概要

エコジン08・09月号

食品ロスを減らすカギは「給食」?小・中学校の学校給食からの食品廃棄物の年間発生量は、児童・生徒一人当たり約1 7 . 2 k g(平成2 5年度)。近年、食品ロスを継続的に発生させる要因の一つとして、学校給食への注目が高まっています。そこで食品ロスの削減活動の一貫として、環境省が、今年1月に学校給食から発生する食品ロスに関する調査を実施。その際に、初めて「残食率」の調査も行われました。残食率とは、学校給食で提供された食料の中で、食べられずに残された量の割合です。現在、学校給食での残食率を把握しているのは全国約3割の市区町村ですが、その平均値は約6.9%。今後は残食率をいかに減らすかが、食品ロス削減の一つの鍵となりそうです。残食率とは?「残食率」は、出席した人数分の学校給食の提供量に対する、食べられずに残された給食の量の割合欠席出席残食率(%)=残食量?(提供量×欠席率)提供量?(提供量×欠席率)学校給食から出た調理くずや食べ残しなどをリサイクルする活動も広がっています。その一例が、北海道・札幌市が平成18年度から取り組む「さっぽろ学校給食フードリサイクル」です。調理くずや食べ残しを生ごみとして分別。その生ごみでできた堆肥を用いて栽培した作物を学校給食に取り入れるという、食物の循環を促すこの活動は、企業や地域の農家、関係団体などの協力のもと、同市の教育委員会と環境局、経済局が一丸となって取り組んできました。「フードリサイクル堆肥を使用して栽培した野菜を学校給食の食材として提供するとともに、児童や生徒による栽培体験学習も行っています。これらの取組によって児童、生徒の循環型社会や食の重要性の理解を高めていきたいと思っています」(札幌市教育委員会生涯学習部保健給食課)。札幌市「さっぽろ学校給食フードリサイクル」生徒たちは、作物を育てる難しさや楽しさを体験することで、生命の恵みの大切さや収穫の喜びを学んでいる。文/宇治有美子23