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概要

エコジン08・09月号

災害廃棄物の円滑・迅速な処理のために東日本大震災を始めとする近年の災害の教訓として、災害により生じた廃棄物の円滑・迅速な処理が重要であることが明らかとなっています。本年7月、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律」が成立し、より着実に災害廃棄物処理が行えるような体制作り等が、大きく前進しました。宮城県女川町のがれき中間処理施設(左)と、混合廃棄物仮置き場(右)。( 2 0 1 2年7月)背景2011年3月に発生した東日本大震災では、約3,100万トンの災害廃棄物が発生した。その内訳は、津波により運ばれてきた土砂等の「津波堆積物」が約1 , 1 0 0万トン、それ以外の混合廃棄物が約2,000万トンとなっている。岩手・宮城の両県では、全力で災害廃棄物の処理を行ったが、処理施設の不足で思うようには進まなかった。その量は、岩手県で通常の約9年分、宮城県で通常の約14年分にも達している。今後想定される、南海トラ膨大な量の災害廃棄物が発生*各県で1年間に排出される一般廃棄物の量との比較約45万t岩手県約9年分年間量(平成22年度)東日本大震災災害廃棄物宮城県約14年分約420万t約82万t約1,110万t年間量東日本大震災(平成22年度)災害廃棄物フ巨大地震では最大3億5,000万トン、首都直下地震では最大1億1,000万トンの災害廃棄物が発生すると試算されており、その対策が急がれていた。今回の法改正の意義とはこうした近年の災害の教訓として、災害により生じた廃棄物を円滑・迅速に処理していくためには、関係者が連携・協力した上で、平時から災害に備える必要があること、また、災害が発生した後に柔軟な対応を行うために、特例的な措置が必要であることなどが明らかになった。そこで今回、災害対策基本法の改正により、市町村が大きな被害を受けてがれきが処理できない等、一定の要件を満たした場合は、国による代行処理が可能になった。また、廃棄物処理法の改正により、都道府県知事の許可が必要な仮設焼却炉等の建設について、一定の要件を満たす場合は、災害時に限って届け出制とするなど、手続きの簡素化が行われた。20エコジン