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概要

エコジン08・09月号

世界の水銀対策をリードする日本水銀汚染による健康被害と環境汚染を防ぐために誕生した、「水銀に関する水俣条約」。今年、この国際条約を担保するため、「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」及び「大気汚染防止法の一部を改正する法律」が国会で成立しました。水俣病をはじめ世界各国で深刻な健康被害と環境汚染を発生させている水銀。国内での消費量は激減しているが、アジアなどの新興国では依然増加傾向にある。世界での水銀の利用量は年間約3, 8 0 0トン( 2 0 0 5年)。主に、小規模な金の採掘( A S G M * )や、塩化ビニルや塩素アルカリなどの工業分野での利用、歯科用アマルガム(虫歯の充填剤)、そして電池、計測機器、照明ランプなどの製品にも利用されている。一方、排出量は世界で約2,000トン(2010年)。地域別ではアジアからの排出が世界の約半分を占め、最大の排出国は中国で、世界の約3割の排出量を占める。世界の状況* Artisanal and Small scale Gold Mining金を含む鉱石を砕き、水銀と混ぜ合わせて合金をつくり、加熱して水銀を蒸発させることで、金のみを取り出すという手法。国内の状況国内における水銀の消費量は、1 9 6 4年には年間約2,500トンにも上ったが、その後の削減努力によって、近年は10トン程度にまで激減している。主な用途は照明(蛍光灯など)、計測器(体温計、血圧計など)、無機薬品(顔料、試薬など)や電池など。しかし、水銀を使わない体温計や血圧計が普及し、照明も水銀を使用しないLED等への転換が進んでいる。乾電池では1995年に水銀電池の生産が中止され、現在は一部のボタン電池に微量の水銀が使用されているのみだ。■世界の水銀需要量( 2 0 0 5年)電気機器5%照明4%計測機器9%歯科用アマルガム10%電池10%その他8%合計3,798トン(2005年)小規模金採掘21%塩化ビニルモノマー製造工程20%塩素アルカリ工業13%出典:UNEP Technical BackgroundReport to the Global Atmospheric Mercury Assessment(2008)■世界各地域ごとの大気排出量(2010年)オセアニア1%北米3%CIS※1 +EU以外ヨーロッパ6%中南米15%EU5%アフリカ17%合計1,960トン(2010年)不明※2 4%アジア49%※1 the Commonwealth of Independent States(独立国家共同体)※2汚染地からの排出量の総計出典:UNEP Global Mercury Assessment 2013(2013)■国内における水銀の利用状況(推移)2.5002.0001.5001.0005000出典:資源統計年報S31S33S35S37S39A41S43S45S47S49S51S53S55S57S59S61S63H2H4H6H8H10H12H14H16H1818エコジン