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概要

エコジン08・09月号

FILE 01FILE 02FILE 03の方々と共に、新宿御苑や先進事例の商業施設の視察や懇談を重ねてきました。新宿御苑では、私が視察する前に、職員が実際に車いすに乗って園内を利用してみたところ、気づいたことがたくさんあったと話してくれました。このプロジェクトをきっかけに、職員が必要性を理解し、すぐに動いてくれたことを非常に頼もしく思いました。視察や懇談でいただいた有識者の助言一つひとつに対応できるよう、ユニバーサルデザインの「具体的なアイディア」を取りまとめ、6月末に発表しました。Q3「具体的なアイディア」は、どのような内容でしょうか。ごみ箱は、足踏みで開閉するタイプだと、車いす使用者は使えないことが多いグレーチングは、車いすの前輪がはまらない小さな網目が望ましい「ハード面」では、まずトイレに目を向けました。新宿御苑では、①和式トイレが多いので、洋式を増やしていくこと②多目的トイレへの集中を避けるため、一般のトイレに手すりやオストメイト(人工肛門保有者)に対応する機能をつけること③それらの設備が個室に入る前に分かるようにサインを掲げることなどです。公園の園路では、段差を解消していくほか、グレーチングと呼ばれる側溝のフタには車いすの車輪や杖の先がはまりやすいので網目を小さくしたり向きを工夫することが必要です。もちろん、施設を整備するだけでは課題解決になりません。そこで有識者のお話にもあった“ハードで足りないことをハートで補う”ことが必要となります。利用者への情報提供を積極的に進めるほか、環境省職員にユニバーサル・マナーに関する研修を行うなど、「ソフト面」での充実も図る考えです。Q4今後、プロジェクトはどのように進められていくのでしょうか。オリンピック・パラリンピック東京大会が開催される2 0 2 0年を目標年に、重点的にユニバーサルデザイン化を進めて行く公園を選び、そこから順次、取組を広げていきます。現在、国民公園・国立公園の来訪者は、年間約3.7億人です。これから、自然本来の魅力の発信にユニバーサルデザインの取組も加えていくことで、2020年には来訪者約4億人を目指したいと考えております。みなさまも、日本の宝である国民公園・国立公園にぜひ訪れてみてください。取り組みポイントハード「トイレ」?和式トイレを一部洋式に?一般トイレブースにオストメイト洗浄装置を設置・トイレの入口などに和洋の別、手すりやオストメイト機能の有無のサインを表示?倒れたときにも非常通報ボタンに手が届くように工夫をする「園路」?段差やデコボコの解消?グレーチングの改良?舗装路の幅員の一部平滑化?施設入口のスロープの設置「サイン類」?標識の文字を大きくしたり、図柄や文字と背景のコントラストをはっきりさせる?案内板の設置位置を傾斜地を避けるなどして、車いすでも近づける位置にする?誰もが見やすい高さに設置ソフト「情報提供」?ホームページ上に、ユニバーサルデザインに関する情報を記載?国民公園は、最寄駅のエレベーターのある出口からのアクセス情報を記載? ICTによる情報提供を検討「利用プログラム」?目が不自由な方も利用できるようなガイド付きプログラムなど、障がい者向けの利用プログラムを作成「スタッフの教育」?窓口に「筆談できます」「何かあればご相談ください」などの掲示をする?環境省職員研修にユニバーサルマナーの内容を入れる?ビジターセンターなどの職員に対する勉強会や研修の実施プロジェクトの詳細はこちら→http://www.env.go.jp/press/101181.html17