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概要

エコジン08・09月号

2L2-Techからしよう!地球温暖化を防止するため、環境省では、「L2-Tech・JAPANイニシアティブ」として、エネルギー起源二酸化炭素の排出削減に最大の効果をもたらす、先導的(Leading)な低炭素技術(Low-carbon Technology)=L2-Tech(エル・ツー・テック)の普及を進めています。2050年に80%の温室効果ガスの排出削減を実現するためには、低炭素技術の大胆な普及を進める必要がある。例えば、空気中の熱を集めて利用するヒートポンプは、工場やオフィスの熱源や空調、家庭のエアコンや洗濯機など、日本のさまざまなシーンで利用される技術だ。また、燃料が本来持っているエネルギーを高効率で利用し、電気と熱を作るコジェネレーションは、産業用設備をコンパクトにすることが可能で、家庭でも利用されている。さらに、家庭用電源から直接バッテリーに充電できるプラグインハイブリット車は、電気走行の割合を高めることができる。環境省では、こうした低炭素社会実現の鍵となる技術について、最も先導的で効率の優れた設備・機器の情報を整理し、「L2-Techリスト」次世代素材「セルロースナノファイバー」軽量ながら強度があり、さらには植物由来のカーボンニュートラルな材料であることから注目が集まっている、セルロースナノファイバー。L2-Techに挙げられたような多くの製品の「基盤」素材となりうる、この次世代素材の開発が進んでいます。紙の原料である豊富な木材資源と、木材化学技術を有する日本製紙。その利点を生かしてバイオケミカル事業を進め、これまでにもさまざまな素材の提供を行ってきた。その中で、今注力されているのがセルロースナノファイバー( CNF)の開発だ。CNFはパルプ繊維をナノサイズまで解きほぐした極細繊維状物質。軽量で強度が高く、熱による変形が少ない。例えば自動車の部材にプラスチックが使用される場合の補強剤として利用されれば、軽量化による燃費の向上で、CO2の排出を抑制する効果も見込める。また、植物というカーボンニュートラルな原料の活用により、車の環境性能がさらに高まる。2013年には山口県の岩国に、年間30トンのCNF生産が可能な実証設備を設置した。今後用途を広げるためには、さらなる技術開発と低コスト化という課題をクリアする必要があるが、「それは越えられない壁ではない」とCNF事業推進室の河崎雅行室長は話す。まずはCNFを付加しやすいところから商品開発を行い、市場に認知されることで大きなブレイクスルーを狙う。12エコジン