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概要

エコジン06・07月号

“つながり”を取り戻すために。「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトが目指すものとは東京都市大学・涌井史郎教授に聞いた。自然の恵みを受け続けるために、今できることとは私たちの暮らしは、森里川海の自然が供給するきれいな空気、資材やエネルギー源となる木々、豊かで安全な水、滋味あふれる食料など、さまざまな恵みを受けて成り立っている。森里川海は互いにつながり、影響しあって、多種多彩な恵みを私たちにもたらしてきた。だが今、森里川海のつながりの分断や質の低下、さらには著しい気候変動も加わって、資源の枯渇や、防災機能の低下などが表面化してきている。そこで環境省が平成2 6年に立ち上げたのが「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトだ。地方公共団体や有識者、先進的な取組を行っている人々などと対話しながら、つながりを取り戻し、安全で豊かな国づくりを行う方策を探っている。有識者のひとり、東京都市大学環境情報学部の涌井史郎教授は「日本人は自然が持つキャパシティに見あった都市づくりを得意とし、自然と社会資本の整備を調和させてきました。しかし高度経済成長以降、社会資本が自然を凌駕するままにしてしまった」と原因を挙げる。多くの自然を失い、その機能を低下させて得たものは、全国に広がる同じような景観の都市ばかり。「しかしこれからは均質な国土像を求めるのではなく、都市は都市らしく、地方は地方らしさを求めて特色を際立たせれば、自然を甦らせることにつながっていくのでは」と話す。O 2降雨浸透蒸発地下水湖・沼・泉CO2森・里・川・海の水・物質森・里・川・海の水・物質循環がわたしたちにもたらす□安全で安心、きれいで豊かな水□地域の自然に根ざした文□清浄な空気と土壌の保全□災害防止□安全で美味しい食糧□自然の中でのレクリエー□バイオマス□多くの生物の生存基盤□地域特産品08