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概要

エコジン06・07月号

「天然岩ガキとモロヘイヤソース」上:日本有数の降雨量を誇る鳥海山から地中を通り海へ流れ込んだ雪解け水が、遊佐町吹浦の「海のミルク」という形容にふさわしい見事な岩ガキを育む。/下左:歯ごたえの良さと独特の辛みが特徴の藤沢カブと、地元庄内人が長年品種改良を続け生まれた、美味しく健康な庄内豚の一皿。/下右:希少な在来作物である藤沢カブは、伝統的な焼畑耕作で作られている。左「庄内豚のグリルと藤沢カブの焼畑仕立て」豊かな自然は元気な食材を育む庄内地方を「食の力で元気にする」ことを目標に掲げ、活動してきた奥田政行シェフ。「農家の方とお客様をつなぐ」をコンセプトとした店には、山形の食材を生かしたシェフならではの料理を求めて、全国から客が押し寄せる。奥田シェフはただ地元産の食材を料理に使っただけではない。野菜・肉・魚の育つ環境を、大学教授の助けも借りながら徹底的に学んだ。そしてわかったのは土・光・水・風、採取の時間…あらゆる条件が食材の味を左右するということ。健全な森里川海で育った食材は、それだけ味も栄養も豊富になる。「食味の豊かな食材を食べることは、心と体の形成に良い働きをもたらします。森里川海が元気になれば、健康で力のある食材が増え、それを食べた人が幸せになる。美味しさがつなぐ共感の連鎖が、地域をよくするのではないでしょうか」。日本人の元気の源は、森里川海の復活にかかっているのかもしれない。「豊かな自然に根ざした食材を使って料理をつくることは、何も庄内だからできるのではなく、全国各地でできることです。多くの弟子たちが、今後独立した際には、各地で食材を生かした料理を伝えてくれるでしょう」写真/長谷川潤13