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概要

エコジン06・07月号

上と左:環境に配慮した持続可能な森林経営が評価され、FSC認証を取得した速水林業の森。この山林から生まれた木材は、FSCのロゴマークをつけることができる。/右:速水林業の大田賀山林で毎年開催される林業塾では、森林や林業についてのさまざまな講義を実施している。森林のあるべき姿を追い求めて合理的な森林管理を導入して、草も木も動物も、多くの生き物が生息する豊かな人工林を生み出している速水亨さん。木材価格の急激な下落などで林業が衰退して久しい中、森林資源を安定的かつ持続的に収穫し、将来の需要を見越した整備を行いながら、日本初となる世界的な環境管理林業を証明するFSC認証を取得した。「現状打破のため新しい取組を試みようとしても、木が育つのには時間がかかります。正否の判断が20年、30年後になると思うと二の足を踏んでしまうのは当たり前でしょう。だからこそ科学的知見や過去の経験を蓄え、構造改革に取り組むことが必須だと思います」国土の約70%が森林の日本。林業が元気になれば優良な国産材が市場に出回り、森が豊かになればミネラル分豊富な水が海に注がれ、おいしい魚介類が育まれる。森林の効用は計り知れないからこそ、再生が急がれている。「どのような森林が求められているのか』。今後は林業者だけでなく、多くの人々が森里川海のつながりを意識して、森林のあるべき姿を具体的に考え、オープンな議論をすることによって未来につなげることが大切だと思います」12