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概要

エコジン06・07月号

も同時に考える場ができることは、非常に望ましいことだと思います」アマモ場の再生活動を行って、約15年。東京湾の海は以前に比べてかなり水質が向上し、生物の多様度指数も上がった。もちろんアマモの効果だけではないが、木村さんがアマモを植え続けるのには理由がある。それは子どもたちに未来を託す思いがあるからだ。「50年かけて悪化した環境を取り戻すためには、5 0年、いや10 0年以上かかるかもしれません。自分たちの世代だけでは時間が足りないとなると、子どもたちに受け継がなければなりません。海のことを知り、楽しく参加できる活動として、アマモ場をつくることは最適だと思っています」。現在活動は、年間に延べ3,000人が参加するまでに成長している。「これまで日本人は経済を最優先に考えてきました。それができたのは日本に豊かな自然環境があったからです。環境は、日本を支える大切な“インフラ”のひとつだということを、行政が、企業が、国民一人ひとりが、もっと理解する必要があると思います。そして自然を豊かにすることを通じて、人と人とのつながりも復活させることができたら一番ですね」「活動に参加する人が少なければ、一人ひとりがすべきことは多くなりますが、多くの人間が関われば、一人にかかる負担は少なくてすみます。環境も同じです。改善するために、多くの人が意識して行動することが大切。『つなげよう、支えよう森里川海』プロジェクトがエンジンの役割を果たして、環境の再生が加速することを期待しています」4/29に行われたアマモの移植会では、神奈川県平潟湾の瀬戸神社周辺にアマモの苗を移植。参加した子ども達は、苗が流されてしまわないよう、土に変える素材でできた粘土で、苗の根元に重しをつける作業を手伝った。元気に育つといいな!11