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概要

エコジン04・05月号

地球温暖化の処方箋水環境症状近年、年間降水量が極端に少ない年が増えるとともに、降水量が少ない年と多い年の差が次第に大きくなる傾向がみられている。変動の幅が広がれば、渇水と洪水が発生するリスクが同時に大きくなる。気候変動の影響によって、地域により無降水日数の増加や積雪量の減少による渇水の増加が予測されており、対策が求められている。処方箋海水淡水化装置の力気候変動に伴う渇水はすでに各地で発生している。2011年、小笠原諸島の父島では、降水量が少なく大渇水に見舞われた。この時に活躍したのが、独立行政法人水資源機構が保有すかはんしきる可搬式海水淡水化装置だ。これは海水や汚れた水から真水をつくることができる可動式の装置。汲み上げた海水をろ過して、塩分はもとより、有害物質や有機物などを取り除き、水道水質基準に適合した水をつく東日本大震災の際に、断水被害の大きかった茨城県桜川市に設置された可搬式海水淡水化装置市民への給水の様子。9日間で延べ約9万人に飲料水を供給したることができる。緊急時に最低限必要な水を1日1人あたり3?とすると、1万人以上の人に水を供給することが可能だ。小笠原村では、41日間にわたって24時間連続運転を行い、飲料水に換算すると延べ約8万人相当分の水を供給した。この装置は東日本大震災の際にも被災地に導入されており、緊急時の有効な手段のひとつとなっている。14