ブックタイトルエコジン１２・０１月号

概要

エコジン１２・０１月号

動物?それとも植物?ミドリムシは体長約0.05ミリと、髪の毛の太さよりも小さい藻類。5億年以上前に原始の地球で誕生した。植物のように光合成を行って栄養分を体に蓄えるだけでなく、動物のように細胞を変形させて移動することもできる。から製造した燃料は、燃やして二酸化炭素を出しても、結果的に空気中の二酸化炭素が増えることはありません。それゆえ、循環型の自然にやさしい燃料といえます。また、サトウキビやトウモロコシといった他のバイオ燃料に見られる、原料作物を燃料に使うのか、食用に使うのかという競合が生じて、食料価格が高騰してしまうといった心配もありません」ミドリムシは、光合成によって成長する際、油脂ています。2 0 1 8年までには軽油に混合せずに使える、100%ミドリムシ由来のバイオディーゼル燃料技術の確立を目指し、将来的に一般の方が使うことができるように研究を進めています。また、ミドリムシから抽出・生成されるオイルは軽質で、飛行機のジェット燃料にも適しています。ディーゼルはもちろん、ミドリムシ由来の燃料で、空を飛べる日がくることも近いと思っています」分を作り出す。これを抽出し、軽油に近い物性の液体に精製することで、通常の軽油などに混ぜて利用することが可能になった。「弊社ではいすゞ自動車と共同研究を行い、次世代バイオディーゼル燃料を実用化させる進むバイオ燃料プロジェクト『D e u S E L R』プロジェクトに取り組んでいます。その一環として、現在、通常のディーゼルエンジンを搭載したバスにミドリムシから作った燃料DeuSELRを入れたシャトルバスを定期運行させミドリムシには栄養素がいっぱい!ミドリムシは、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など、59種類もの栄養素を備えている。そのため、発展途上国向けの食料援助の素材としても期待されている。ディーゼルエンジンにDeuSELR燃料を入れたシャトルバスは、2 0 14年7月1日より、いすゞ藤沢工場と湘南台駅の間を定期運行中。いすゞ社員の通勤や、工場にやってくるお客さんの送迎用として活躍している。文/重信綾写真/下屋敷和文29