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概要

エコジン12・01月号

IPCCとは?気候変動に関する政府間パネル。気候変動について発表された論文や観測データを、各国の有識者・専門家が評価し、まとめる政府間機関。5~7年ごとに最新の報告書が公表され、現在は第5次評価報告書が作成されている。生息域が限られているジャイアントパンダは、地球温暖化が進むと主食である笹が激減し、絶滅に陥る恐れがある。(写真:ロイター/共同通信社)本日のコミュニケーター鷲谷いづみさん②で、最も適応進化しやすい生物の代表例と言えば、害虫や、感染症を引き起こすウイルス、細菌など病原微生物です。数が多く、世代時間(生まれて子孫をつくるまでの時間)が短ければ、適応進化のスピードが速いので、環境の変化に対応することが可能です。この2つの対応がとれない生物は、人が介入しなければ、局所的に絶滅することになるでしょう。東京大学大学院農学生命科学研究科教授。日本学術会議会員。専門は生態学・保全生態学。保全生態学研究会の設立(現在は日本生態学会に)や、学術雑誌「保全生態学研究」の創刊において中心的役割を果たした。また、「さとやま生物多様性と生態系模様」など数多くの著書を発表し、自然との共生や生物多様性保全に関する概念を広く一般に普及している。ニホンジカやイノシシなどの野生動物による農作物への被害が、近年多数報告されている。ニホンジカは、木々の食害や、それに伴う森林生態系への影響なども懸念されている。ニホンジカの分布は広がっているとみられており、要因として山村地域の人口減少や、耕作放棄地の増加などがあげられるが、気温の上昇によって積雪量が減っていることも指摘されている。ニホンジカが越冬できる場所は、積雪量が一定以下であることが条件だ。しかし栃木県日光市にある多雪地帯の奥日光エリアなどでは、1980年代以降、積雪量が減少。ニホンジカが越冬できるようになった。また積雪期間が短くなっていることも、これを後押していると考えられている。分布を拡大しつつあるニホンジカ。気温上昇が一因といわれている(写真:中静透)21