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概要

エコジン08・09月号

東京の真ん中で東京都千代田区千代田区はオフィスが集積する「大丸有(大手町・丸の内・有楽町)」エリアを有する一方、隣接する皇居の周辺には豊富な自然と生態系が育まれています。都市としての発展を目指しながら、自然との共存も模索する。そんな理想的な環境都市のあり方を、東京の中心・千代田区から学びます。写真/坂本政十賜文/柳澤美帆2020年までにCO2排出量を1990年比で25%削減する目標を掲げ、多くの施策を実施している。そのひとつが、中小規模の建物に対して省エネルギー化への取り組み支援を行う「グリーンストック作戦」だ。区内に数多くある既存建物(ストック)に対し省エネルギー化(グリーン化)のための対策メニューの検討や助成を行っている。こうした個々の建物に対して講じる対策のほかにも、面的な取り組みとして地域冷暖房システムを進め、区内11の地域でシステムを導入。大丸有地区で地域冷暖房システムを運営する丸の内熱供給株式会社によると、個別熱源方式に対して、高効率機器の採用およびプラントを連携させるなどで、同地区ではこれまでに約1万トン、今後5年間で約7000トンのCO2排出量削減が見込まれており、区の削減計画のうち約1/3の量の排出量削減を狙う。今年10月からは、区全域で利用できるコミュニティサイクルの実証実験が開始されるほか、神田駿河台東部地区などの再開発地区においては、全国でも珍しい“地区単位”でのCO2排出規制値を設定している。低炭素な都市づくりをリードする存在として、今後も区の取り組みが注目される。丸の内パークビルの地下に設けられた地域冷暖房システム。プラントで製造された冷水や蒸気が、導管を通じて複数の周辺ビルに供給される。個別熱源方式に比べて一次エネルギー消費量で12~16%の削減を実現しながら、コージェネレーションシステムを積極的に取り入れるなどして、さらなる省エネ効果向上をめざしている。08