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概要

エコジン08・09月号

地域の「新たな宝」を掘り起こし魅力あふれる商品にハッケン!地域資源を生かしたオリジナル商品のブランド化再生した棚田で生産された棚田米を、2011年から「MERRY RICE」の名で販売。「4合1000円」という価格は、有名ブランド米と比べても高価だが、減農薬という安心感や、集落再生のストーリーに対する共感もあって、売れ行きは好調だ。上山集楽の強みは、起業家マインドを持った人たちの集まりであること。今後は、食害対策のため捕獲したシカの革を利用した工芸品や、薬効のある植物を使った特産品などの開発も模索している。昔ながらの乾燥方法「はぜ掛け天日干し」を用いて棚田で作られたMERRY RICEと、そのお米から生まれた棚田酒。中山間地域ならではの資源を活かし「エネルギー100%自給」を目指す自然エネルギーの利活用ハッケン!間伐などにより生まれた木材は、薪やチップなどになり、ボイラーやストーブの燃料として使われる。現在自給エネルギーとして最も有力なのは、かつて炭焼きやシイタケ栽培などに利用されていた広葉樹林だ。バイオマス資源として薪ボイラーなどに利用できる上、木々の適度な伐採は放置されていた里山の再生にもつながる。今後、未利用の棚田には、太陽光パネルを設置して農業と発電事業を同時に行うソーラーシェアリングの導入を予定。また現在、軽トラックや田植え機の燃料はガソリンに依存しているが、将来は自然エネルギーに転換したいと考えている。中山間地域は、自然エネルギーの宝庫だ。豊かな自然・地域の文化と人材を活用し、持続可能なビジネスモデルに岡山県美作市(旧英田町)上山地区は、岡山県北部の中山間地に位置し、8300枚(約100ha)の棚田が広がっていた農村地帯。しかし高齢化と担い手不足により棚田の荒廃が広がっており、笹や葛が生い茂る状況でその景観が著しく損なわれていた。2007年、大阪を中心に活動している「英田上山棚田団」(のちにNPO法人化)が棚田の再生に取り組み始める。その後、メンバーのうち数人が上山に移住し、2013年「一般社団法人上山集楽」を組織。耕作放棄地や放置山林、古民家などを“未利用資源”ととらえ、棚田という空間的価値を高めていくことによって、そこに滞在する時間や、そこで生まれた産物をブランド化し、地域に還元していくビジネスを志向している。27