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概要

エコジン08・09月号

特集:エコなまちづくりCASE.3【柏の葉スマートシティ】千葉県柏市「世界の未来像をつくる街」を目指す柏の葉スマートシティが、今年7月、本格的な街開きを迎えました。来るべき“ミライの環境都市”の取り組みを紹介します。写真/川本聖哉文/梅澤聡公・民・学が連携して先進的な街づくりを進める「柏の葉スマートシティ」に今年7月、商業施設やホテル、新産業育成拠点などの施設を集めた中心エリア「ゲートスクエア」がオープンした。発電した電力を、道路を挟んだ他の街区と融通し合うなど、国内初の先端技術をひとつの街に実現。「未来の都市」として注目を集めている。エネルギーを効率的に使う「エリアエネルギー管理システム(AEMS)」を取り入れ、ゲートスクエアには約220kW、隣接する商業施設「ららぽーと柏の葉」には約500kWの太陽光発電設備を設置。それぞれに大規模蓄電池を置いて省エネを図るとともに、互いに電力を融通し合う仕組み。電力相互融通の目的は、東京電力から供給される「系統電力」に対する需要のピークカットだ。「太陽光発電による系統電力の削減分とは別に、大規模蓄電池の導入による街区内でのピークカット、街区間での電力融通によるピークカットによって、系統電力の最大電力需要を約26%削減します。電力料金にして年間約1,000万円分を節約できると見込んでいます」と、三井不動産株式会社の中田聖志氏は語る。また、災害などで系統電力が停電した場合には、蓄電池の電力に加えてゲートスクエアに設置されたガス発電機を稼働し、通常時の約60%の電力を3日間、継続的に供給することができる。環境に優しく、さらには災害にも強い……まちづくりの“未来形”が、ここにはある。http://www.kashiwanoha-smartcity.comゲートスクエアの全景。柏の葉スマートシティは今後、2 0 3 0年までに街全域(計約300万平方メートル)の開発が完成する予定だ。左/エリアエネルギー管理システム( A E M S )の中核となる「柏の葉スマートセンター」。電力だけでなく、水やガスなど地域全体のエネルギー情報を把握・分析することで、エネルギーの一元管理や需要予測、需要情報の提供を行う。右/ゲートスクエア内の賃貸住宅には、住居のエネルギーを管理する「柏の葉H E M S」を導入。タブレット端末で電力使用状況の把握や照明・空調の制御ができる。15