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概要

エコジン08・09月号

2020年を見据えて東京都エコ事情「東京から、世界の諸都市の“範”となる持続可能な都市モデルを発信」することを宣言している東京都。東京オリンピックの開催年でもある2020年までに、温室効果ガス排出量を2000年比で25%削減することをめざしている。建築家の安藤忠雄氏が事業委員長となって募金を募り、埋め立て地を森に変えるべく進行中の「海の森」プロジェクト。多くの賛同者やボランティアの協力のもと、2 0 0 8年から植樹が続けられている。今年6月に公表された「東京の低炭素ビル2014」。既存ビル部門では新丸の内ビルディングやJR品川イーストビル、新築ビル部門には御茶ノ水ソラノシティなどが選定されている。削減の目標達成に向け導入されているのが「キャップ&トレード制度」だ。都市の建物を対象とした世界初のキャップ&トレード制度で、CO2排出量に上限(キャップ)を割り当てた削減を義務付け、過不足分を取引(トレード)できる。そのため経済活動と省エネの両立を図ることが可能。オフィスや工場など、事業所の種類などに応じて削減義務率を設けている点も先駆的で、違反すれば罰金などのペナルティを課している。この制度の対象事業所では、震災直後の平成23年度に続いて、平成24年度も基準年度比22%とCO2が大幅に削減された。LEDの導入が飛躍的に増加したことなどにより、節電対策のうち負担が大きかった取り組みが見直された後も削減が維持されている。上記が既存の建物への対策だったのに対し、新築建物には「建築物環境計画書制度」を導入。エネルギー使用の合理化や緑化などの項目を3段階で評価している。キャップ&トレード制度と建築物環境計画書制度で高評価を得た建物は『東京の低炭素ビルTOP30』として発表されており、今年6月には14の新規ビルを追加した「東京の低炭素ビル2014」も公表した。また都市部のヒートアイランド現象緩和が期待される「風の道」の起点ともなる「海の森」も整備中だ。東京湾に浮かぶごみと建設発生土で埋め立てられた場所に、堆肥で作った土を盛りタブノキなどの苗木数十万本を植樹するもの。成長した木々がCO2を吸収し、涼やかな風を都心に運ぶことが期待されている。11