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概要

エコジン06・07月号

 2014年4月、ドイツ・ベルリンでの総会で公表された第3作業部会報告書では、気候変動に対するさまざまな緩和策が盛り込まれています。人間の活動を起源とした温室効果ガス(GHG)排出量が1970年から2010年の間にかけて増え続け、特に最近の10年間に大幅に増加しているという指摘のもと、GHG濃度を基準に、産業革命以降の気温変化をシナリオ別に予測しています。たとえば、今世紀中に濃度が低位(約450ppm)に抑えられれば、産業革命後の気温上昇を2度未満に抑えられる可能性が高いと指摘。ただし、このシナリオではGHG排出量は2010年と比べて2050年に40~70%低く、2100年にほぼゼロ又はマイナスとなります。これを実現するためには、再生可能エネルギーやCO2回収・貯留(CCS)を伴う化石エネルギー、及びCCS付きバイオエネルギー採用の低炭素エネルギーの供給率を2050年までに2010年の約3~4倍にする必要があることも示されています。また、緩和の取り組みを2030年まで遅延させた場合、それ以降、急速に低炭素エネルギーを増やす必要があると考えられます。5時間目Carbon dioxide Capture and Storageの略で、CO2の回収・貯留を意味する。CO2を分離・回収し、海底下や地中に貯留することで大気中のCO2 濃度の上昇を抑制する技術の一つ。現在、日本を含め世界各国でCO2の排出量が多い石炭火力発電所などにおいてCCSを適用するプロジェクトが進行しつつあるが、コストや環境への影響、貯留したCO2の漏出などの検討課題もある。この他、バイオマス燃焼時に排出されるCO2 の回収・貯留を行うC C S 付きバイオエネルギー(BECCS)という方法もある。CO2 の排出をマイナスにするマイナスカーボン実現への技術として期待されるが、バイオマス原料の大規模調達にリスクが伴う。『CCS』[用語解説]エコに関する旬な話題を勉強しよう!504030 27Gt33Gt38Gt 40Gt49Gt201001970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010+1.3%/年 1970-2000+2.2%/年2000-10人為起源温室効果ガス排出量の推移(1970年~2010年)※温室効果ガス排出量(Gt- CO2換算/年)※GWP100に基づきCO2換算(出典:IPCC AR5 WG3 Summary for Policymakers 図SPM.1)フロン等  N2O  CH4CO(2 森林、その他土地利用起源)CO(2 エネルギー・産業プロセス起源)国内で初の実証試験が行われている苫小牧。写真は調査のための井戸を掘削するリグ(写真:経済産業省)17