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概要

エコジン04・05月号

二ッポンのエコな現場VOL.06先進的なエコ活動に取り組む各地の自治体やNPO、企業をご紹介します。世帯数: 8 , 5 5 8世帯(2014年3月1日現在)三重県鳥羽市総人口: 2 0 , 8 8 0人(2014年3月1日現在)URL : http://www.city.toba.mie.jp/top.html左:鳥羽市の海の玄関口であるもんど岬。無人島や有人島が数多く点在する鳥羽湾で、シーカヤックツアーが行われている。下:海岸に密生し、放置されていたウバメガシを間伐し、その硬くて密な材質をいかして薪として利用。鳥羽市では、「森と海・きずな事業」として間伐事業を予算化した。右:これまで未利用魚と呼ばれ、流通しなかった魚介類を「漁師の隠し魚」と命名し市内飲食店と協力ツアー内で提供。新しいモデル事業を次々と生み出すエコツーリズム「鳥羽市エコツーリズム推進協議会」では、市内にあるガイド会社やボランティア団体、市や県の観光・環境担当部署や観光協会、農協・漁協などが官民・業種の分け隔てなく集まって、互いの意見を述べ合い、鳥羽市のエコツーリズムを発展させようと活動を行っている。斬新なのは、“循環”と“連携”をキーワードに、新しいビジネスモデルをつくることで課題解決するだけでなく、さらに地域の活性化にまでつなげている点だ。例えば協議会は、漁協の「最近海藻が少なくなって、アワビの漁獲量に影響が及んでいるようだ」という問題提起や、山エリアの住民の「山の手入れ不足で土壌がもろくなり、海に土が流れ込んで必要な栄養が行き渡らなくなっているため、間伐が必要だ」という意見をヒアリング。そこで同会は、山にはウバメガシが多く、薪にすれば観光事業者や食品加工業者にもニーズがあることを調査し、ビジネスモデルを構築。「私たちが考えるエコツーリズムとは、自然環境だけでなく、そこで生きる人々の活動も持続する観光のあり方です。国立公園でありながら民有地がほとんどの鳥羽市では、みんなの資源を活用しながら保護するという考えがベースにあります」と、江崎貴久代表。美しい景観と人の営みが融合した自然環境を有する、鳥羽市らしいエコツーリズムのあり方は今後も発展的に続いていく。28