ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

エコジン02・03月号

vol.05環境省のレッドリストに挙げられた日本の希少な生き物たち、そして日本の生態系に悪影響を与える外来種(侵略的外来種)について紹介します。希少種コシガヤホシクサEriocaulon heleocharioides分布大きさ埼玉県越谷市、茨城県下妻市の2カ所でのみ確認葉の長さ7~15cm、花茎は高さ12cm~28cm野生絶滅(EW)花期9~10月一年生の水生植物で、埼玉県越谷市、茨城県下妻市の2か所でのみ確認されています。種名の由来は、最初の発見地の越谷市と、小さい星形の花をつける仲間の総称(ホシクサ属)からきています。水位が高い春~夏は水中ですごし、秋頃に水位の低下と共に花のついた茎を水面上に出して結実するという、水位変動に応じたサイクルで生育します。越谷市では発見後まもなく確認できなくなり長らく絶滅したと考えられていました。その後、1975年に下妻市の砂沼で再発見されたものの、砂沼でも姿を消してしまいました。野外では絶滅してしまいましたが、幸いなことに絶滅前に地元の保護活動家が救出していた個体が残っていました。これを元に国立科学博物館筑波実験植物園で栽培・増殖が行われ、砂沼で野生復帰の取組が行われた結果、好適生育環境が明らかになるとともに、個体群が維持されるようになってきました。この成果を基盤にして、越谷市においても野生復帰に向けた検討が進められています。詳しくは、「絶滅のおそれのある野生動植物種の生息域外保全」まで→http://www.env.go.jp/nature/yasei/ex-situ/instance03.html侵略的外来種クリハラリス(タイワンリス)Callosciurus erythraeus (Callosciurus erythraeus thaiwanensis)原産地クリハラリスは、アジア全域(中国からマレー半島)にかけて広く分布。タイワンリスは台湾固有亜種主な被害備考生態系・農林水産業に関わる被害特定外来生物国内では戦前から動物園などで飼育され、ペットとしても数多く流通していました。逃げ出したり棄てられたりした個体が野外に定着し、樹皮を剥いだり果樹や電線をかじるなどの被害が生じています。これまで市街地・島嶼部が中心であった分布域が近年拡大しています。生息場所等を巡る競合によって在来種のニホンリスが地域的に絶滅してしまうおそれがあります。このため、防除の取組が各地で進められています。見た目は愛くるしいですが、被害を拡大させないために餌付けなどはしないようにしましょう。外来生物法HP→http://www.env.go.jp/nature/intro/クリハラリス→http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/list/L-ho-07.html外来いきものセンサス(※)→http://ikilog.biodic.go.jp/(※)クリハラリスを含む2 6種の外来種の分布情報を収集しています。33