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概要

エコジン02・03月号

PM2.5に関する総合的な取組原因物質とその発生源が多岐に渡り、生成のメカニズムも複雑なため、日本でもその対策が大きな課題となっている「PM2.5」(微小粒子状物質)。また、昨年1月以降、中国でPM2.5による深刻な大気汚染が発生し、日本でも一時的に濃度の上昇が観測されたことで、国民の関心も高まっています。ここでは、昨年12月に発表された環境省の「PM2.5に関する総合的な取組(政策パッケージ)」についてご紹介します。目標1国民の安全・安心の確保・予報・予測精度の改善(モデルの構築)PM2.5予報ができることを目指して、環境省が主体となったシミュレーションモデルの構築に取り組み、予測精度を高めていく。また、モデル構築の過程においても、その時点までに得られた成果を活用して、注意喚起の精度向上を行っていく。当面、環境省ホームページ上で、シミュレーションの活用に関する情報を提供する。国立環境研究所が開発を進めている、P M 2 . 5等の大気汚染予測システム(VENUS)。(国立環境研究所「環境GIS/大気汚染予測システム」より転載)・適確な注意喚起の実施環境省では、昨年2月に「注意喚起のための暫定的な指針」(暫定指針)を策定した。これは、「日平均値が70マイクログラム/立方メートルを超えると予想される場合に注意喚起を行う」というもの。さらに、午前中の早めの時間帯での判断に用いるための数値として、「5時から7時の1時間値の平均値が85マイクログラム/立方メートルを超える場合」とした。昨年11月には、これに加えて、新たに「5時から12時の1時間値の平均値が80マイクログラム/立方メートルを超える場合」も設定した。また、今後は、環境省HP上に都道府県による注意喚起の実施情報を掲載することで、全国の注意喚起の実施状況を一元的に把握できるようにする予定だ。レベルⅡⅠ環境基準暫定的な指針となる値日平均値(μg/m 3 )70超70以下35以下※1注意喚起のための暫定的な指針行動のめやす不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らす。(高感受性者※2においては、体調に応じて、より慎重に行動することが望まれる。)特に行動を制約する必要はないが、高感受性者では健康への影響がみられる可能性があるため、体調の変化に注意する。注意喚起の判断に用いる値※3午前中の早めの時間帯での判断5時~7時午後からの活動に備えた判断5時~12時1時間値(μg/m 3 ) 1時間値(μg/m 3 )85超80超85以下80以下※1環境基準は環境基本法第16条第1項に基づく人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準。環境基準の短期基準は日平均値35μg/m 3であり、日平均値の年間98パーセンタイル値で評価。※2高感受性者は、呼吸器系や循環器系疾患のある者、小児、高齢者等。※3暫定的な指針となる値である日平均値を一日の早めの時間帯に判断するための値。18