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概要

エコジン02・03月号

福島県相馬市の松川浦は、南北の長さ約7 k m、東西の最大幅約1. 5せきこk mにわたる潟湖。北端で太平洋とつながり、海水と淡水の混じり合う汽水域で、貴重な干潟の環境が保たれていることもあり、100種類以上のカニや貝などが生息し、環境省の絶滅危惧種に指定されている希少な動植物の宝庫だ。かつては潮干狩りや海水浴、釣りを楽しむ人たちで賑わい、年間約100万人を集める人気観光地だったが、東日本大震災によって状況は一変した。この地を巡る「生き返る松川浦の自然と暮らし応援ツアー」は、平成25年8月7日から2日間の日程で、18名の参加者によって行われた。初日は、まず被災した沿岸部や船上から松川浦内を視察。地元の人たちとの交流会の後、夜の海で「ナイトフィッシュキャッチ」を楽しんだ。ナイトフィッシュキャッチとは、岸壁から海中に向けて懐中電灯で照らし、カニやエビ、魚などを網ですくう静かな内海である松川浦ならではのアクティビティ。ツアー当日は、イシガニなどが多く捕れたという。うのおみさき2日目は鵜ノ尾岬めぐりからスタート。鵜ノ尾岬への道は現在通行止めだが、この日は特別に許可を得てツアーが行われた。鵜ノ尾岬灯台下のトンネルを抜けると、左手に太平洋、右手には松川浦を一望することができる一大パノラマが広がる。ここで、相馬市松川浦観光旅館組合の管野正三組合長が、浦内に大小の島々が点在し、太平洋と隔てる砂州にはナイトフィッシュキャッチ。懐中電灯で海中を照らし、カニやエビ、ハゼなどを網ですくい上げる。生き物を捕まえるのは意外と難しく、参加者は童心に返って楽しんだ。11