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概要

エコジン10・11月号

ecojin SPECIAL NEWSオキサンショウウオ隠岐の固有種。渓流などの流れのある場所に生息するサンショウウオと、池などの止水に生息するサンショウウオ両方の形態的な特徴を併せ持っている。源流付近の沢で幼生を観察することができる。ちち乳房杉独自の生態系や文化を育んだ離島3万年前から人々が暮らし、中世には後醍醐天おんる皇などの遠流の島となったことでも知られる隠岐。太古はユーラシア大陸の一部だったが、やがて大陸から分離し、水底に沈み、火山活動によって隆起するなどの歴史を経て、約1万年前に諸島の姿になった。現在は日本海に浮かぶ4つの有人島と180余りの無人島からなり、本土に近い3つのどうぜん島を合わせて「島前」、その北東に浮かぶ最大の島どうごを「島後」と呼ぶ。島前も、島後も、西側の海岸線の大部分は約600万年前の溶岩や火砕岩からなる海食崖が続き、マグマのしぶきの跡などを見ることができる。また、世界の希少種とされるオキサンショウウオなど、固有の動植物が生息しているほか、100以上の神社が存在し、巨木信仰の名残りで日本最古級の祭りである「布施の山祭り」など独自の文化も継承されている。エコツアーや学習会で隠岐の価値を発信する隠岐ジオパークの取り組みは、もともと地域を愛する隠岐島民によるまちづくりのグループが主導し始まった。隠岐の人々は行政や研究機関と協力し、隠岐の地質、生態系、歴史文化について見つめなおし、その魅力を伝えていく活動を続けている。たとえば学習会やガイド養成講座の開催、ガイドブック、みどころマップの作成のほか、シーカヤックでの洞窟ツアーや石器時代から矢じりなどに利用された黒曜石の創作体験なども開催している。今年は、10月15日~18日に日本ジオパーク全国大会が隠岐の地で開催される予定だ。島後の林道沿いにある岩倉神社のご神木。樹齢8 0 0年の古杉で、幹周りは約11mに達する。幹から大小2 4個の乳房状の根が垂れている。母乳の神として崇拝され、毎年4月2 3日に祭礼が行われている。ちぶせきへき知夫赤壁島前の知夫里島の西海岸約1k mにわたって続く、ざっくりとえぐられたような岸壁。赤、黄、茶色などの鮮やかな色を展望台や遊覧船から眺められる。赤い色はマグマのしぶきが酸化したもの。シーカヤック洞窟などをシーカヤックで巡り、隠岐ジオパークの魅力を伝える体験ツアー。大規模な火山活動によって海底から隆起し、侵食や堆積によってできあがった隠岐諸島の成り立ちを、海から見ることができる。隠岐世界ジオパークHPhttp://www.oki-geopark.jp17