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概要

エコジン8・9月号

除染事業のグッドプラクティス集除染事業を実施している各除染で発生した枝葉等の除染廃棄物市町村では、除染効果の向上、をチップ化装置を効率化、排水・住民の除染に対用いて減容化するする理解の促進等の観点から、取り組み(伊達市)さまざまな創意工夫ある取り組みやノウハウが蓄積されつつあります。これらの取り組み・ノウハウが、各市町村が除染を推進させる上での行政上の参考となるよう、優良事例集として取りまとめられ、公表されています。除染によって発生した土壌や廃棄物を保管した容器を、内容物が明確に分かるように管理する取り組み(伊達市、広野町など)住宅除染を実施する前の詳細モニタリング調査を実施するにあたり、村内のシルバー人材センターの活用を推進する取り組み(泉崎村)http://tohoku.env.go.jp/fukushima/pre_2013/0520a.htmlで作業に携わる人たちとの間で共有していくことが重要になります。一方で、行政、専門家、企業、住民が、さまざまなリスクに関してお互いに意見や情報を交換し、共有する「リスクコミュニケーション」も大きな課題です。その一環として、住民に除染の計画段階から参加してもらうことも考えられます。その地域の地形や環境条件などについて、最もくわしいのは地域住民です。住民が線量測定に立ち会い、自分たちの目で数値を確認することも大切でしょう。仮置き場の場所を自治体が主導で決めようとしてもなかなか決まらないのが現状ですが、これについても住民参加で、自分たちのコミュニティの中で「ここだったら許容できる」という場所を話し合っていくと比較的早期に決まる場合もあります。こうした活動を通じて、住民の除染に対する知識も向上し、経験値が共有されることで過度の不安から解放されることにもつながります。これが効果的なリスクコミュニケーションになると私は考えます。現在、福島では除染が完了しているにも関わらず住民が戻っていない地域もあります。汚染に対する不安や地震と津波で破壊されたインフラがいまだ機能していないという理由もありますが、最も大きいのは産業が復活していないことです。今後は復興の次の段階として住民の生活の糧を確保するための産業誘致が必要になるでしょう。そのためにも、除染を確実に完了させることが前提条件となります。インタビュー構成/さくらい伸PROFILE森久起(もり・ひさき)日本環境安全事業(株)中間貯蔵事業準備室技術アドバイザー、環境省環境回復検討会委員、福島県除染業務講習会講師。環境回復コンサルタントとしてさまざまな情報発信、講習会などの講師も務める。日本原子力学会、環境放射能除染学会会員。17