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概要

エコジン6・7月号

環境省の委託を受けて、博多湾沖で、出力3キロワットの風車2基と六角形の浮体を使った洋上発電が行われた。写真提供/九州大学この画期的な仕組みにより、レンズ風車は、通常のブレードだけの風力発電と比べて発電量は2~3倍にもなる。冒頭の浮体は、2011~12年に九州大学が環境省の委託を受け、福岡市とともに行った、レンズ風車を活用した洋上風力発電の実証実験時のもの。陸上と比べ平均風速が1メートルも違うため、レンズ風車の発電量も倍増することが実証された。研究所では実験の成果を受けて、今度は玄界灘でさらに大規模な「海上発電ファーム」を展開する予定だ。「いずれ、レンズ風車だけでなく、太陽光や潮力、波力など、複合的な発電システムを備えた海上発電ファームを実現したい。また、浮体には魚の群れも集まるため、魚礁にもなりうる。漁業と発電を融合した新たな地場産業を生み出す可能性も秘めています」(大屋教授)。風の流れつば渦による圧力低下流れを引き込む風車集風加速装置(風レンズ体)「風を集める仕組み」集風体と呼ばれるプロペラを囲う覆いは、風の入り口より出口側を広く設計し、空気の抵抗を受けるための“つば”を設置。すると、出口側に空気の渦が発生し、それが低圧状態を形成。風は気圧が低い方へと引き込まれていく。九州大学筑紫キャンパス内に設置されているレンズ風車。ブレードは3枚、直径1メートルとコンパクトなつくりだ。09