エコジン2・3月号

エコジン2・3月号 page 28/36

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概要:
エコジン2・3月号

左がヤモリの足裏、右がヤモリテープの電子顕微鏡写真。研究開発のポイント①ヤモリの足裏のつくりを利用したヤモリテープは、分子どうしに働く引力(ファンデルワールス力)により、高い接着力を持ち、垂直の壁や天井でもピタッとくっついて離れない。ヤモリは垂直の壁や天井にペタッとくっつく。ミクロの眼でヤモリの足裏を見ると、先端に見えるのは、ヘラのような形をした無数の繊維。これらの足裏の繊維が壁からずり落ちるのを防ぐので、ヤモリはいつまでもくっついたままでいられるのだ。ヤモリの接着能力を人が粘着テープとして使えたら……。そんな願いを実現したのが、日東電工が開発した「ヤモリテープ」だ。2000年頃にヤモリの接着のしくみが解き明かされて以来、世界の開発者たちが“ヤモリの足裏”の実現を目指してきた。その中でも日東電工では、試行錯誤の末、カーボンナノチューブ(CNT)という素材を使って、強力な“ヤモリの足裏”づくりに成功した。CNTは、炭素元素だけでなる、直径数ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の円筒形の材料だ。原料のガスから材料をつくりあげていく気相成長法という方法により、基板の上でCNT繊維を垂直かつ高密度ヤモリに倣って機能ヤモリが壁や天井にペタッとくっつく力を模倣してつくられた研究開発:日東電工株式会社/場所:大阪市北区