エコジン2・3月号

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概要:
エコジン2・3月号

発展途上国の生産者が搾取されることなく、周囲の環境を破壊せずに作った商品を、公正な価格で取引するフェアトレード。この概念をいち早く日本に持ち込んだのが、フェアトレードカンパニー株式会社が運営するブランド、ピープル・ツリーだ。日本人に馴染むように、日本でデザインや企画を起こした衣類やファッション雑貨などを、発展途上国の生産者とともに「人にも環境にも優しい」をモットーにして作り、日本で輸入・販売している。世界フェアトレード機関(WFTO)が定める指針に基づいた活動を行っているピープル・ツリーだが、さらに独自の環境ポリシーも策定。エネルギー消費と二酸化炭素の排出を極力減らし、オーガニックや無農薬といった環境に配慮した生産方法でつくられた素材やリサイクル素材の活用などを行っている。「現在はインド、バングラデシュ、ネパールを中心とした10カ国約150の生産グループとともに商品を生産しています。アイテムは機械を使えば大量に生産できますが、生産国に伝わる技術の継承や二酸化炭素排出量の削減、より多くの人へ仕事の機会をつくり出すという意味合いもあって、できるだけ手仕事で作業を行っています。衣類であれば、石油や電気を使う機械ではなく手織りをすることで、機械織りに比べて、年間約1トンの二酸化炭素が削減されているという試算もあります」と胤森なお子広報ディレクター。また多くの衣料の原料であるコットンもオーガニックにこだわり、土壌汚染や生産者の健康被害につながるような化学薬品等を使う生産をせず、時間がかかっても手でコットンボールを摘み取る農家と協力し、「誰がどのようにつくったのか」、背景がわかる商品づくりをすすめている。環境に配慮した商品づくりを後押しするのは、もちろん商品の購入者だ。商品を買ってくれる人がいることが、手間も時間もかかる生産を支える力となっている。買い続けることが作り手や環境を守る活動の一助となることを、ピープル・ツリーは教えてくれる。現在直営店は2店舗。カタログ・オンライン通販も人気。写真はインドやバングラデシュの女性が身につけるサリーをリサイクルして作った人気商品。Click!!バングラデシュでの生産風景。女性の自立を支援しつつ、環境に配慮しながら衣料品を手作業でつくっている。ピープル・ツリーhttp://www.peopletree.co.jp/25