エコジン8・9月号

エコジン8・9月号 page 27/36

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東日本大震災で発生した大量のがれきが、アートとして甦り、まちを彩り始めている。活動の母体となる千葉県柏市のNPO法人エコ平板・防塵マスク支援協会は、13年前から知的障害者の職域拡大や自立支援を目的に、全国....

東日本大震災で発生した大量のがれきが、アートとして甦り、まちを彩り始めている。活動の母体となる千葉県柏市のNPO法人エコ平板・防塵マスク支援協会は、13年前から知的障害者の職域拡大や自立支援を目的に、全国の福祉作業所で廃材を使ったモザイクアートづくりを進めてきた。できあがった作品は、歩道や公園など、全国のパブリックスペースで活用されている。いずれも使用するのは瓦やガラス、レンガなどの廃材だが、「山積みになった被災地のがれきを見て、これもモザイクアートの『素材』として再利用できるのではと思いました。もともとは大切な資源だったわけですから、すべて不用なごみとして処理されてしまうのはどうなのか」と、協会の理事長で建築士の橋田隆明さんは言う。橋田さんは仙台市にあるがれきの集積所へ市内の作業所の人たちと共に定期的に出向き、市の協力を得ながら作品に使えそうな木材や色とりどりのタイルなどを探して歩く。それらは市内の福祉作業所に持ち込まれ、障害者らの手によってモザイクアートとして生まれ変わる。もちろん、放射線量の測定も行い、安全なものを使っている。「木の枠を一つの型として、後は作業者がそれぞれの感覚でモザイクの配置を決めていきます。時に我々が思いもしない色や形の組み合わせも見られますよ。今後も彼らの能力をうまく引き出しながら、被災地の障害者の職域拡大と復興のまちづくり参画が実現できればと思います」と橋田さん。震災のがれきを使ったモザイクアートは、現在、千葉県松戸市の舗道などで見ることができる。松戸市では、国の重要文化財である戸定邸へと連なる舗道にモザイクアートを採用。舗道をキャンバスに、震災の記憶とまちの歴史をモチーフにしたモザイクアートが花開いた。松戸市戸定歴史館の学芸員・齊藤洋一さんも、「地域の文化的資産とうまく融合させることができた」と語る。松戸市内のモザイクアートを採用した舗道。カラフルな作品が、街並を足下から明るくする。仙台市での制作作業の様子。タイルの色や形の組み合わせを考えながら、手作業で丁寧に作られている。理事長の橋田さんは「作品をもっとたくさんの場所で使ってもらえれば」と普及への思いを語った。Click!!NPO法人エコ平板・防塵マスク支援協会http://eco-heiban.com/27