エコジン6・7月号

エコジン6・7月号 page 13/36

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概要:
日本のステークホルダーからの提案地球サミットから 20 年。今回開催される「リオ+20」でも、メジャーグループと呼ばれる 9 つのグループの人々が共に準備してきました。昨年 7 月にスタートした日本の国内準備委員....

日本のステークホルダーからの提案地球サミットから 20 年。今回開催される「リオ+20」でも、メジャーグループと呼ばれる 9 つのグループの人々が共に準備してきました。昨年 7 月にスタートした日本の国内準備委員会では、月 1 回のペースで会議を重ね、違う意見をもつ人たちが他者を尊重しあいながら、着地点を真剣に探りました。その結果として、全員の思いを盛り込んだ国連の成果文書への提言「持続可能な開発の推進に向けた日本のステークホルダーからの提案」をまとめることができました。私たちがこの提言書を作成するにあたり、まず明確にしたのが、東日本大震災の経験を踏まえてのメッセージです。震災の経験により、私たちは人類の生存基盤である自然の保全と生態系サービスが確保されるシステムを大前提にしなくてはならないことを学びました。世界から支援を受けた日本がそこからどう教訓を生かして立ち直っていくか。日本の優れた技術力をきちんと維持しながら、持続可能な社会をつくるためにそれぞれの立場で貢献していくことの重要性を多様な視点から発信しました。国を越え、地域に根差した思いを大事にしあう持続可能な開発には「環境」、「経済」、「社会」の融合が必要です。今回、私たちはそこに 4 つ目の柱「文化」を加え、強調しました。お互いの国の歴史やライフスタイルを尊重しあうことは、相手の国がもつ自然を尊重することにつながり、搾取することなく対等な経済関係を築くことができるからです。また、私たちは低炭素・循環型かつ生物多様性に配慮したまちづくりの促進も強調しました。大切なのは地域が活力をもち、心豊かに暮らしていけるようにすること。国を越えた地域に根差した思いを大事にしあい、次の世代に向けてそれぞれができることを実現することが、持続可能な社会づくりにつながります。リオ+20 には、世界から 5 万人もの環境問題に関心をもつ人々が集まります。市民や企業、政府機関の人々が一堂に集まって交流することの波及効果は大変大きく、そのパワーは首脳間交渉と同じか、それ以上の意義をもちます。きっと次の時代に勇気を与える会議になると思います。PROFILEN P O 法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長。東京大学総長顧問・小宮山宏氏とともに国内準備委員会共同議長を務める。13