中島早貴 中島早貴とキーワードから考える

SDGsライフのヒント

聞いたことはあるけれど、なんとなく遠い存在の「SDGs」。日々の生活の中でも実践できるSDGsな暮らし方について、中島早貴さんと一緒に考えてみましょう。

中島早貴プロフィール
1994年2月5日生まれ。℃-uteの元メンバー。グループ解散後は舞台を中心に女優として活躍中。2018年、「つなげよう、支えよう森里川海アンバサダー」に就任。沖縄のサンゴ保全活動団体「チーム美らサンゴ」にも参加している。
キーワード01

エシカル消費

について教えてください
小早川鮎子さん
環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室
小早川鮎子さん

「エシカル消費」ってどんな意味ですか?

 今、私はSDGsについて勉強をしていて、「エシカル消費」という言葉も聞いたことはあるのですが、「エシカル」は「倫理的」という意味ですよね。でも「倫理的消費」と日本語に置き換えても意味がわからなくなってしまって…???という感じです(笑)。私の何となくの解釈では、地球に優しい環境で作られている作り手の思いがこもったものを、私たちもきちんと理解した上で購入する。そんなふうに、地球に対して優しい気持ちになれる買い物ができたら「これはエシカル消費だ」って思っているんですけれど、これで合っていますか?

質問シーン
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エシカル消費とは
人・社会・環境に配慮した消費行動です

 エシカル消費は、倫理的に考えて正しいと思うことを基準として購入するものを決めることです。誰がどこで商品を作り、お店までどのように運ばれてきたのか。自分が手に取るまでの過程を考え、商品を購入することがエシカル消費の第一歩です。中島さんの基準は少し漠然とはしていますが、感覚としては合っていると思います。「安い」「便利」というだけで商品を選択すると、人・社会・環境への配慮が足りずに作られていたりすることもあるので注意したいですね。もしそれがわからず迷った時は、人・社会・環境に配慮して作られたものであることを示す認証ラベル付きの商品を選ぶことも方法のひとつです。

認証ラベルの一例

エコマーク。環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品に付けられる。国際フェアトレード認証ラベル。生産者の生活を守り、自然保護にも配慮して生産された商品に付けられる。FSC®認証。適切に管理された森林からの木材や、適格だと認められたリサイクル資源から作られた商品に付けられる。

食品ロスを減らす行動も、
エシカル消費になりますか?

 実家が農家で、私自身も畑の一角を借りて野菜を育てています。そんなこともあって食品の買い物には気を遣っているつもりです。特にスーパーで食材を買う時は、まだ食べられるものが廃棄されないように、今日食べるものなら消費期限や賞味期限が近くて値引きされているようなものを選ぶようにしています。ただ忙しくて買い物をする時間がなかなかとれないような時は、「一週間分まとめて買っちゃおう」となってしまうので、なかなかそれができないのですが…。私の行動はエシカル消費と言えますか?

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簡単にできる「てまえどり」で、
エシカル消費を実践しましょう

 もちろん、食品ロスを減らすための買い物もエシカル消費です。中島さんのように、食品をまとめて買うという人はとても多くいらっしゃると思います。それでもすぐに食べるものについては「てまえどり」をぜひ実践していただきたいと思います。「てまえどり」とは、字の通り、商品棚の手前に置いてある消費期限や賞味期限の迫った食品を積極的に選ぶ行動のことです。実は日本において、食べられるのに捨てられている食品ロスの量は年間約600万tもあり、そのうち約100万tが家庭から封も開けられずに捨てられたものなのです。とてももったいないですよね。また賞味期限は「おいしく食べることができる期限」ですから、期限後ただちに食べられなくなるわけではありません。消費者がこうした理解を深めて行動できるといいですよね。

「エシカル消費」と
SDGsの関係を教えてください

 SDGsは2030年までに世界中の人々が一丸となって達成すべき「持続可能な開発目標」ですよね。勉強してみると、生活のすべてに関わっていて、「生きて社会で暮らしている限り、ずっと意識しなければいけない目標なんだ!」とわかりました。小さな行動かもしれませんが、今、私が何を選ぶかによって変わる未来もあると感じています。エシカル消費は範囲がとても広いように思ったのですが、SDGsのどんな分野に貢献することができるのでしょうか。

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エシカル消費はさまざまなSDGsの目標に
関連しています

 SDGsには17のゴールが設定されているのですが、エシカル消費についてはあらゆるゴールが複合的に相互関連していて、先ほどお話しした食品ロスの削減に関してはゴールの12「つくる責任、つかう責任」の分野に入ります。「世界全体の食料の廃棄を2030年までに半減させる」というさらに細かく設定されている目標に対する取り組みです。でもそれだけではありません。中島さんが感じたように、ゴールまでの取り組みは他のさまざまな分野とも関連しています。例えば食品ロスに関しては、消費者の理解を深めてもらわなければ消費期限の迫った商品を選んでもらえないですし、スーパーやコンビニの協力なしには進められません。ですから、「パートナーシップで目標を達成しよう」という17番目のゴールともリンクしていると言えます。エシカル消費はとても身近な行動の一つで、さまざまな目標に関連してくるので、ぜひ積極的に取り組んでみてほしいですね。

今月のヒント

「てまえどり」を実践します!

 エシカル消費ってどういうことだろう?と思っていましたが、商品を買う時に、「人に、環境に、優しいものなのか」を考える。まずはそれだけでもいいんだとわかりました。これからは、今日教わった「てまえどり」を意識して買い物をしたいと思います!

SDGsって?

SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称です。
持続可能な世界を実現するために、2030年までに達成すべき国際社会全体の目標であり、17のゴールと169のターゲットから構成されています。
「地球上の誰一人として取り残さない」を理念に、行動変革につなげるため一人ひとりが持続可能な社会づくりに必要な知識とスキルを得ることなどが掲げられており、日本も積極的に取り組んでいます。

写真/石原敦志

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