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海洋プラスチックごみ

ポイント!

プラスチックを賢く使う、ごみにしない意識を一人ひとりが持つことで、海洋プラスチックごみを減らすことができます。「プラスチック・スマート」のWEBサイトを参考に、自分でも実践できるアクションをリサーチしてみましょう。

 ポイ捨てや放置されたプラスチックごみが、河川などを通じて海へ流出し、海洋プラスチックごみとして、海岸や海底にたまったり、水中を浮遊したりします。なかでも、5㎜未満の微細なプラスチックは「マイクロプラスチック」と呼ばれています。

海洋プラスチックごみになる流れ

 プラスチックを含む海洋ごみは、生態系を含めた海洋環境の悪化や海岸機能の低下、景観への悪影響、船舶航行の障害、漁業や観光への影響等、国内外で様々な問題を引き起こしています。
 この地球規模の問題について、2019年開催のG20大阪サミットでは、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が提案され、87の国・地域がこのビジョンを共有しています。また、2023年4月開催のG7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合、5月開催のG7広島サミットでは、2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにする野心に合意し、さらに積極的に取り組むこととなっています。
 ただし、環境中に流出した海洋プラスチックごみの量に関するデータや推計手法については、国際的な合意が得られていないのが現状です。また、プラスチックごみが及ぼす様々な影響については未解明の部分が多く、引き続き科学的な知見の集積が必要とされています。環境省では、有効な対策を打ち立てるとともに、その効果を検証するためにも、こうした科学的知見の蓄積・評価に努めています。
 海洋プラスチックごみ対策の一つとして、マイクロプラスチック削減に向けた先進的な技術や取り組みを「グッド・プラクティス集」としてWEBなどで紹介し、さらに団体・個人を問わずプラスチックを賢く使う取り組みを推進、周知する「プラスチック・スマート」のWEBサイトを公開し、更新しています。

「プラスチック・スマート」WEBサイト

 また、海洋プラスチックごみ対策として人の手や装置などを使っての回収などが実施されていますが、ごみを出さないことも同じくらい有効な手段です。ポイ捨てをしない、使い捨てのものをむやみに使わないなどのアクションを一人ひとりが意識することで、ごみの量はグッと減少します。このままでは、50年後の海の中は魚よりごみのほうが多くなるとも言われています。地球環境だけでなく、今の生活や食を守るためにも、海洋プラスチックごみを減らす方法を今一度考えてみませんか?

ごみ拾いの様子

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