平成17年度は、地球温暖化対策推進大綱の第2ステップにおける取組の最初の年であり、京都議定書の6%削減約束の達成を左右する極めて重要な年です。このため、地球温暖化対策推進大綱の評価・見直し結果を踏まえ、追加的対策を含むあらゆる対策を推進し、脱温暖化社会の構築を目指します。
また、中長期的な温室効果ガスの排出削減に向け、水素社会など脱温暖化社会を推進するとともに、そのためのビジョンを策定します。
国際的にも、京都議定書の早期発効と将来枠組みの形成に向けて、世界をリードした各国との政策対話を推進します。 |
(1)地球温暖化対策推進大網の評価・見直しを踏まえた対策の着実な推進
[1]地域連携や公共的施設等の活用による再生可能エネルギー等の積極的導入
- 燃料電池コージェネレーションシステムの社会への普及速度を加速化し、将来的な大量普及につなげることを狙いとして、小中学校向けに燃料電池コージェネレーションシステムを試験的に導入する者への支援を行います。
- 風力やバイオマスなどの再生可能エネルギーを集中的に導入する地域を「再生可能エネルギー高度導入地域」として認定・支援することにより、地域の先進的な取組を全国に普及させます。
【主な予算措置】 |
百万円 |
|
・(新)学校への燃料電池導入事業(対策技術率先利用試験補助事業の内)(石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計(以下「石油特会」という。)) |
100( 0) |
・(新)再生可能エネルギー高度導入地域整備事業(石油特会) |
1,000( 0) |
[2]燃料電池等の先端的な温暖化対策技術の開発・普及拡大と温暖化対策ビジネスの支援
- 水素・燃料電池社会の構築に関する対策技術や、バイオ燃料などのバイオマスエネルギー導入技術等について、実用化に向けた重点的な技術開発を進めます。また、近年開発された省エネ型冷凍装置の普及を図ります。
- 先見性・先進性の高い温暖化対策ビジネスを普及するため、温暖化対策ビジネスの起業支援を拡充します。
【主な予算措置】 |
百万円 |
|
・(新)省エネ型低温用自然冷媒冷凍装置の普及モデル事業(石油特会) |
400( 0) |
|
・地球温暖化対策技術開発事業(競争的資金)(石油特会) |
2,675( 1,634) |
|
・地球温暖化対策ビジネスモデルインキュベーター(起業支援)事業(石油特会) |
1,110( 250) |
[3]産業・家庭・オフィス・運輸など各部門における実効性の高い対策の積極的推進
- 家庭部門における実効性かつ即効性のある対策を推進するため、CO2排出量を通常の住宅より大幅に削減する住宅(環の匠住宅)の導入促進を支援します。
- 産業・業務部門における費用効果的かつ確実な温室効果ガス排出削減を実現するため、自主参加型の国内排出量取引制度を創設します。具体的には、一定量の削減を約束した事業者に対し、排出枠を交付するとともに、省エネ・代エネ設備等排出削減のための設備整備への支援を行います。
- コンビニ等の業務部門におけるCO2削減モデル事業として、事業者が行う業務用施設等への省エネ・代エネ対策技術導入への支援を行います。
- モーダルシフトなど、各主体が協力して取り組むべき対策について、関係省庁が連携してモデル事業を行うとともに、地方公共団体が保有する自動車への車載計測器の搭載等を支援し、自動車の燃費改善を図ります。
- 温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度の導入を図ります。
【主な予算措置】 |
百万円 |
|
・(新)二酸化炭素排出量削減モデル住宅整備事業(環の匠住宅整備事業)(石油特会) |
500( 0) |
|
・(新)温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業(一般会計・石油特会) |
3,300( 0) |
|
・(新)業務部門二酸化炭素削減モデル事業(石油特会) |
400( 0) |
|
・(新)主体間連携モデル推進事業(石油特会) |
600( 0) |
|
・(新)自動車燃費改善補助事業(石油特会) |
100( 0) |
[4]吸収源の算定・報告に関する国内体制の整備
- 吸収源によるCO2吸収・排出量を算定・報告・検証するための国内体制を整備します。
【主な予算措置】 |
百万円 |
|
・森林等の吸収源対策に関する国内体制整備確立調査費 |
74( 48) |
[5]国民各界各層への普及啓発の推進
- 都道府県地球温暖化防止活動推進センターが行う普及啓発・広報活動への支援を行うとともに、地球温暖化問題に関する学校向けの学習教材作成やモデル授業の実施を進めます。また、国内外の省エネ・代エネ技術に関する情報について、「地球温暖化技術研究コーディネーター」等による普及啓発・広報活動を展開します。
【主な予算措置】 |
百万円 |
|
・都道府県センター普及啓発・広報事業(石油特会) |
300( 100) |
|
・(新)地球温暖化問題に関する児童・生徒への効果的な環境教育実施事業(石油特会) |
300( 0) |
|
・(新)地球温暖化技術研究情報発信事業(石油特会) |
50( 0) |
[6]京都メカニズムの活用促進
- クリーン開発メカニズムや共同実施について、事業を実施する事業者への支援を拡充することにより、京都議定書の約束達成に使うことができるクレジットを取得します。また、現地への専門家派遣などを通じて、途上国などの政府の受入体制を整備します。
【主な予算措置】 |
百万円 |
|
・CDM/JI設備補助事業(一般会計・石油特会) |
1,600( 300) |
|
・CDM/JIに関する途上国等人材育成支援事業(石油特会) |
300( 250) |
(2)「水素社会」など脱温暖化社会の推進
- 中長期的な温室効果ガスの大幅な排出削減に向け、「水素社会」など脱温暖化社会を推進するため、必要な技術を発掘し実用化につなげるような技術開発等を支援するとともに、そのためのビジョンを策定します。
【主な予算措置】 |
|
・地球温暖化対策技術開発事業(競争的資金)(石油特会)[再掲] |
(3)京都議定書の早期発効と将来枠組みの形成に向け、世界をリードした各国との政策対話の推進
- 気候変動枠組条約や京都議定書を実施していく上で必要となる国際的な体制・基盤整備や途上国支援について、積極的な貢献を行います。
- 京都議定書以後(2013年以降)の枠組みについての国際交渉が2005年にも開始されることを念頭に、米国や途上国が参加する共通のルール構築に向けて、各国との政策対話を始めとした、国際的な地球温暖化対策の推進を図ります。
【主な予算措置】 |
百万円 |
|
・地球温暖化に係る将来目標検討経費 |
42( 26) |
|
・(新)アジア地域の主要排出国との気候変動問題セミナー実施事業費 |
16( 0) |