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5.生物多様性保全の総合的推進と自然との共生

178億円(178)


 新・生物多様性国家戦略に基づき、 従来から自然再生への取組や遺伝子組換え生物の使用の規制等を行うカルタヘナ議定書国内担保法制定などの取組を進めてきました が、 外来種対策や国立公園の魅力の向上、エコツーリズムの推進、里地里山の保全等 更に取り組むべき課題が残されていることから、今後これらの取組を着実に進めていきます。


[1]移入生物対策等野生生物との共生に向けた総合的・体系的施策の推進
  •  生態系への新たな脅威となりうる外来種について総合的・体系的な対策を実施するため、 生物多様性への悪影響を防止するための措置など外来種対策に関する法制度の整備に取り組むとともに、 緊急性の高いものについては駆除作業を進めるなどの対応を図ります。
  •  また、本年6月に成立した「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づき、 遺伝子組換え生物のリスク評価や影響の監視、情報基盤の整備などを推進します。
  •  このほか、トキの野生復帰に向けて必要な順化施設の整備を進めるとともに、 鳥獣の保護や管理のため、広域種対策や特定鳥獣保護管理計画を推進するほか、 動物の愛護及び適正な管理の強化を図ります。
【主な予算措置】 百万円
移入生物対策費 132 ( 80)
遺伝子組換え生物対策事業 70 ( 31)
トキ野生順化施設整備費 489 ( 71)
(新)広域分布型鳥獣保護管理指針策定事業 20 (   0)
特定鳥獣等保護管理対策費補助 106 ( 138)
(新)家庭動物の終生飼養推進事業 20 (   0)
【主な税制措置】
狩猟者登録税と入猟税を一本化し、新たな目的税である「狩猟税(仮称)」を新設するとともに、 第一種銃猟免許登録を受けた者が空気銃を使用する場合の空気銃に係る「狩猟税(仮称)」の非課税措置を新設。

[2]世界に誇れる国立公園づくりとエコツーリズムの推進
  •  国立公園等において、観光立国の実現、都市と農山漁村の共生・対流の視点も踏まえ、 自然環境の保全を確保しつつ、自然や文化を活かした観光と地域振興を両立させるため、 環境教育にも役立つエコツーリズムを普及・定着させるためのモデル事業や普及事業を推進します。 また、国立公園等の地域の自然保護の現場において、雇用の促進の観点も含め、グリーンワーカーを積極的に活用し、 国立公園の魅力の向上などを図ります。 さらに、世界自然遺産の新規登録に向けた調査・検討を行います。
  •  このほか、損なわれた地域固有の生態系等の自然環境を取り戻すため、 関係機関やNGOと連携し、先駆的に自然再生事業を実施するなど、積極的に自然再生を推進します。
【主な予算措置】 百万円
国立公園等民間活用特定自然環境保全活動(グリーンワーカー)事業費 300 ( 150)
山岳環境等浄化・安全対策緊急事業費補助 100 ( 50)
(新)世界自然遺産候補地等検討調査費 15 (   0)
(新)やんばる地域国立公園指定計画策定調査費 11 (   0)
自然公園等事業費〔公共〕 13,893 (14,278)
  うち自然再生事業関係費 1,214 (1,002)
国立公園等エコツーリズム推進モデル事業費(再掲)

[3] 里地里山の保全・再生の推進等
  •  身近な自然とのふれあいの場であり、生物多様性の宝庫でもある我が国の都市近郊なども含めた里地里山について、 関係府省と連携し、自治体・市民等でこれらの保全と持続的利用を図るためのモデル的な事業を行います。
  •  また、自然再生の更なる推進を図るとともに、都市住民も親しみ得るような身近な生物の生息空間(ビオトープ) の整備による自然と共生した生活環境の形成を図ります。 さらに、生物多様性保全施策の基本となる長期的・継続的モニタリング調査等を推進します。
【主な予算措置】 百万円
(新)里地里山保全・再生モデル事業調査費 79 (   0)
自然共生型地域整備推進事業費補助 119 ( 119)
重要生態系監視地域モニタリング推進事業費(モニタリングサイト1000) 400 ( 400)
自然再生活動推進費 51 ( 45)