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1.脱温暖化・循環型の持続可能な社会の迅速な構築  
2,145億円(1,835)

 「脱温暖化社会」へ向けて、京都議定書の温室効果ガス6%削減約束を確 実に達成するとともに、「循環型社会」へ向けた廃棄物等の発生抑制、適正 な循環的利用と処分を着実に進め、持続可能な社会の迅速な構築を図ります。 そのため、生活基盤の構築を含めた環境分野への投資や経済のグリーン化を 一層促進し、環境ビジネスや環境技術研究等の振興を図り環境制約を新たな 成長要因に転換させ、環境と経済の統合を一層進めていきます。



(1) 持続可能な社会の基盤づくり     

1,914億円(1,652)


[1] 政府一体となった京都議定書目標達成計画の着実な実行
    京都議定書の温室効果ガス6%削減約束を確実に達成するため、本年3月に決定した新しい地球温暖化対策推進大綱を基礎として策定する京都議定書目標達成計画を、政府が一体となって着実に実行していきます。この大綱に基づく政府全体の施策の進捗状況を的確に把握し、評価していくため、温室効果ガス排出量・吸収量の把握・速報化への体制整備を進めます。
 また、高効率発電やバイオマスを活用した廃棄物処理・リサイクル施設、自然体験施設など、地球温暖化対策の観点も踏まえた施設整備を進めます。
 
【主な予算措置】 百万円 百万円
・温室効果ガス排出量・吸収量管理体制整備費
・(新)廃棄物処理施設に対する温暖化対策補助事業費
・ごみメタン回収施設等の拡充
   (廃棄物処理施設整備費補助のごみ処理施設(64,039百万円
   (63,330百万円))のうち)〔公共〕
367
1,060
 ( 204)
 ( 0)
 

[2] 脱温暖化型ライフスタイル(環のくらし)を目指した日常生活の改革
    特に温室効果ガス排出量の増加が著しい国民の日常生活からの温室効果ガス排出量を抑制するため、脱温暖化型の環境にやさしいライフスタイル(環のくらし)への転換に向けた運動を全国的に展開します。このため、改正地球温暖化対策推進法に定められている地域協議会や活動推進員を活用し、地域のパートナーシップによる対策の推進や日常生活に関する取組への働きかけなど、草の根レベルでの活動に対する支援の充実を図ります。
 
【主な予算措置】 百万円 百万円
・「環のくらし」推進事業費
・(新)日常生活における温室効果ガス削減試行事業
  (地球環境基金関係経費のうち)   
・民生部門温暖化対策推進モデル事業費 
・(新)地域調和型エコハウス整備費補助  
・ヒートアイランド対策に関する調査
196
200

260
100
28
 ( 110)
 ( 0)

( 200)
( 0)
( 20)
【主な税制措置】
・地球環境に対する低負荷型の住宅に係る固定資産税の課税標準の特例措置を新設

[3] 脱温暖化社会の構築に向けた費用効果的な対策及び国際協力の推進
   温室効果ガスを費用効果的に削減するため、本年6月に取りまとめた中環審地球温暖化対策税制専門委員会の中間報告で示された環境税の在り方について検討を進めるとともに、自主的な国内排出量取引を推進します。
 また、京都メカニズムの活用のための基盤整備・事業者支援を推進するとともに、2013年以降の第2約束期間も視野に入れながら、米国や途上国を含む全ての国が参加する共通のルールを構築するための政策対話を進めます。
 
【主な予算措置】 百万円 百万円
・炭素税導入の対策効果及び経済活動への影響等に関する
  検討調査費
・(新)自主的な国内排出量取引推進費
・(新)早期CDM申請モデル事業   
・(新)地球温暖化に係る将来目標検討経費 
・(新)日米気候変動問題セミナー実施事業 
30

49
300
32
15
 ( 10)
 
( 0)
( 0)
( 0)
( 0)
【主な税制措置】
・我が国の実情に合った環境税の具体的な制度の在り方を引き続き検討
・環境負荷の少ない自動車の普及を図るため、自動車税のグリーン化や自動車取得税の税率の軽減措置等を延長するとともに、その対象を拡充し、新たに燃料電池自動車やLPG自動車等を追加

[4] 廃棄物等の発生抑制と適正な循環的利用の促進に向けた取組の拡充
   平成13年度策定の国の基本方針及び14年度末までに策定予定の「循環型社会形成推進基本計画」を踏まえ、循環型社会構築のための廃棄物処理・リサイクル施設の整備を進めるなど、廃棄物等の発生抑制及び適正な循環的利用の促進に努めます。また、廃棄物処理施設整備重点化計画(仮称)を策定するとともに、PFI方式による効率的な公共関与の廃棄物処理施設整備等を進めます。  
 
【主な予算措置】 百万円 百万円
・廃棄物処理施設整備費〔公共〕
・産業廃棄物処理施設モデル的整備事業
  (廃棄物処理施設整備費補助のうち)〔公共〕
・汚泥再生処理センターの拡充
  (廃棄物処理施設整備費補助のうち)〔公共〕
・ゴミゼロ型地域社会形成推進施設整備費(エコタウン事業)
・使用済み自動車適正処理促進事業
・循環型社会形成推進基本計画フォローアップ経費
182,859
4,500

17,070

1,500
 92
102
 (160,273)
 ( 1,900)

( 8,393)
 
( 50)
( 60)
 ( 25)
【主な税制措置】
・自動車リサイクルの推進を図るため、再商品化設備に係る特別償却制度の対象を拡充し、自動車破砕残さ再資源化施設を追加
・PFI選定事業者が設置する廃棄物処理施設等に係る税制上の優遇措置を新設
・地方自治体による産業廃棄物に係る独自の税制上の取組の動向を踏まえ、国としての対応の在り方について検討

[5] 廃棄物の適正処分・不法投棄対策の強化
   産業廃棄物の不法投棄を始めとする不適正処理の防止対策や不法投棄の原状回復措置の強化を図り、廃棄物処理に関する国民の信頼を回復していくとともに、埋立処分地の再生など一般廃棄物最終処分場の信頼性向上・容量確保に向けた取組等を進めます。
 さらにPCB廃棄物処理については、拠点的処理施設の整備など全国的な処理体制の整備に着実に取り組みます。 
 
【主な予算措置】 百万円 百万円
・(新)産業廃棄物不法投棄地再生事業
 (廃棄物処理施設整備費補助のうち)〔公共〕
・(新)不法投棄事案対応支援事業  
・(新)廃棄物処理過程追跡システム等実証調査        
・(新)埋立処分地再生事業
(廃棄物処理施設整備費補助のうち)〔公共〕
・(新)最終処分場跡地実態調査費               
・PCB廃棄物処理のための拠点的施設整備事業
 (廃棄物処理施設整備費補助のうち)〔公共〕
・(新)新たなPCB汚染物の特定及び適正処理確保方策検討調査
・PCB廃棄物の拠点処理における運行状況管理
  のためのシステム開発
2,600

48
 41
1,000

20
15,436

20
51 
( 0)

( 0)
( 0)
 ( 0)

( 0)
(1,400)
 
( 0)
( 15)

[6] 健全な水循環に資する合併処理浄化槽の整備強化
  効率的効果的な汚水処理施設の整備を図るため、設置費用も比較的安価で水質の保全と河川の水量が確保でき、健全な水循環に資する合併処理浄化槽の整備を一層進めていきます。
 
【主な予算措置】 百万円 百万円
・合併処理浄化槽設置整備事業の促進 
  特定地域生活排水処理事業の対象地域の拡大
  高度処理型合併処理浄化槽の対象地域の拡大     
    (廃棄物処理施設整備費補助のうち)〔公共〕
22,482 (15,660)

(2) 経済のグリーン化・環境ビジネスの推進   

231億円(183)


[1]環境ビジネスの活性化等による経済のグリーン化の推進
   脱温暖化社会・循環型社会を迅速に構築し、同時に経済の活性化を図るため、環境ビジネスの活性化を積極的に進め、経済のグリーン化の進展を図ります。このため、環境ビジネスに関する情報交換や情報整備のための企業や消費者との意見交換の場(環境ビジネス協議会)の設置等、環境配慮型製品・サービス(エコプロダクツ)の市場形成・普及促進、地域資源を活用した環境ビジネスの振興、海外への環境ビジネスの積極的な展開などに資する具体的な支援策を検討し、推進します。
 また、優良化した産業廃棄物処理業をさらにより高度なサービスを提供する産業として発展できるようにするためのビジョンやビジネスモデルの提示などの取組を行います。

 
【主な予算措置】 百万円 百万円
・環境と経済の統合のための
  産業活動のグリーン化促進に関する調査検討費    
・環境物品等情報提供体制整備費
・(新)産業廃棄物処理業リ・スタイル化計画推進事業費   
22

35
 50
( 8)

 ( 30)
( 0)

[2]環境研究・環境技術開発の促進
   ナノテクノロジーを活用した環境技術やバイオマス利用技術の開発、温室効果ガスの観測用衛星センサーの開発を進めるとともに、温室効果ガス濃度安定化技術、次世代を担う廃棄物処理技術、自然共生化技術等を対象とした競争的資金の拡充や、民間企業等を対象とした試験研究税制の拡充により、環境研究・環境技術開発の促進を図ります。また、中小企業やベンチャー企業などによる環境技術の市場への普及促進に向け、環境技術の環境保全効果等についての客観的な実証システムを試行実施します。
 
【主な予算措置】 百万円 百万円
・(新)ナノテクノロジーを活用した環境技術開発推進事業 
・環境研究総合推進費(競争的資金)
・廃棄物処理等科学研究費補助金(競争的資金)
・地球環境保全等試験研究費 
・衛星搭載用観測研究機器製作費            
・(新)環境技術実証モデル事業  
1,000
5,154
2,019
 2,402
 521
250 
( 0)
(3,660)
(1,050)
(2,302)
( 250)
( 0)
【主な税制措置】
・試験研究費総額に着目した税額控除制度を新設
・民間企業が公的研究機関等と連携して行う共同・委託研究について、産学等共同研究税額控除制度を新設