2016年05月20日

小満(しょうまん)の実り

ピンのアイコン皇居外苑 カテゴリのアイコン北の丸公園ブログ / 季節の便り / 夏の花 / 皇居外苑・北の丸公園の梅 / バックナンバー2016

本日(5月20日)は、二十四節気のひとつ「小満(しょうまん)」です。小満は、春に芽吹いた草木が生い茂り初夏の実りをむかえるなど、自然の力が天地に満ちはじめる頃とされています。

コバンソウの写真

<コバンソウの穂>

実りの季節をむかえた麦などが穂を垂れるのもちょうどこの頃で、無事に実った作物のようすにほっとひと安心したという逸話からこの時期のことを小満と呼ぶようになったとも云われているそうです。

北の丸公園では、樹林地の足元でコバンソウ(小判草)の穂が、初夏の風にさらさらと小さな音を立てて揺れていました。コバンソウは、別名タワラムギ(俵麦)とも呼ばれ、明治時代に渡来したヨーロッパ原産の1年草です。コバンソウやタワラムギという呼び名は、どちらも熟すと黄褐色になる穂の形を江戸時代のお金の"小判(こばん)"や、収穫したお米などを保管するために稲わらなどでくるんだ"俵(たわら)"に見立てて名付けられた縁起のよい名前です。

ウメの実の写真

<ウメの実>

梅の実を収穫しはじめるのもこの頃とされ、関東近県のウメの産地で梅酒用に使われる青梅の収穫がはじまったという季節の話題がテレビでも放映されていました。北の丸公園の梅の木にも青々とした梅の実がついていますが、万葉の時代から早春には梅の花を愛で、初夏に実を梅干しや果実酒に漬け、仁を薬用に利用してきた日本では、たわわに実る梅の実に移りゆく季節を感じてきたことでしょう。

"梅の木"は茨城県の木に、"梅の花"は大阪府と和歌山県と福岡県の花に、"豊後梅(ぶんごうめ)"は大分県の木と花に選ばれています。

taisannbokuno

<タイサンボク(泰山木)の花>

夏めいてきた北の丸公園では、旧江戸城清水門や科学技術館にほど近くに建つ吉田茂像の傍らで、タイサンボク(泰山木)の白く大きな花が咲きだし、濃厚なクリームのような甘さと柑橘やショウガのようなさわやかさをあわせもつような、独特のよい香りを漂わせていました。

☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。コバンソウの穂やウメの実は、興味本位で採ったりせずに、後から来られる方々も自然に実るようすをみられるように、そっと観察してください。

北の丸公園の最寄り駅について

 北の丸公園最寄り駅の利用案内は、各駅(九段下駅(都営地下鉄新宿線東京メトロ東西線・半蔵門線)、竹橋駅(東京メトロ東西線)、神保町駅(都営地下鉄三田線都営地下鉄新宿線)、東京メトロ半蔵門線)順不同)へお問い合わせください。

北の丸公園周辺の文化施設の利用案内

 近隣の文化施設等の開館・開園状況等については、各文化施設等(国立公文書館科学技術館、日本武道館、千代田図書館千鳥ヶ淵緑道千鳥ケ淵戦没者墓苑しょうけい館(戦傷病者史料館)昭和館東京国立近代美術館及び工芸館皇居東御苑三の丸尚蔵館千鳥ヶ淵ボート場順不同))へお問い合わせください。

国立公文書館では、明日5月21日(土)から7月2日(土)まで、平成28年第一回企画展「栄典のあゆみ-勲章-褒章」(入場料無料・ただし日曜は展示室は休み)が開催されています。詳しくは国立公文書館にお問い合わせください。

工芸館は、7月15日まで休館しています。詳しくは工芸館にお問い合わせください。