国民公園及び千鳥ケ淵戦没者墓苑

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2015年7月 8日

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2015年07月08日ヤブカンゾウがお出迎え

皇居外苑バックナンバー2015 / 北の丸公園ブログ / 夏の花

重要文化財に指定されている旧江戸城清水門をくぐり、北の丸公園内に入った斜面で、ヤブカンゾウの花が出迎えてくれました。

ヤブカンゾウの写真

原産の中国では「ワスレグサ」とも呼ばれ、花が憂さを忘れるほど美しいという説と、その味が心配事を全て忘れるほど美味しいという説が有ります。

ヤブカンゾウアップの写真

これは別の場所で撮った写真ですが・・・、間近でみると野の花とはとても思えない、目を見張る程の豪華さです。

遠くにぽつりぽつりとヤブカンゾウが咲いている風景は、皇居のお濠をぐるりと囲む堤塘や、中央線の車窓から見える外堀沿いなどでも目にすることが出来ますが、北の丸公園周辺では近くでみられる場所がごく限られるため、間近に観察できる群落は野の花好きにとって貴重な存在ですね。

ヤブカンゾウのあでやか姿は日本最古の和歌集である万葉集にも詠われ、古来から人々を癒やしてくれる花として親しまれており、この時期に各地の人里を訪れると、日々の暮らしの中で大事に守り継がれてきた花に彩られた何気ない日本の風景を目にすることが出来ます。

「わが紐に付く香具山の 故りにし里を忘れむがため」(わがひもにつくかぐやまの ふりにしさとをわすれむがため)

大意:この花を着物のひもにつけておくと嫌な事を忘れさせてくれるそうだ (大伴旅人 万葉集)

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