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[キーワード] 積雪山地、積雪分布、山地湿原、亜高山針葉樹、マツ枯れ

[S-4 温暖化の危険な水準及び温室効果ガス安定化レベル検討のための温暖化影響の
総合的評価に関する研究]
2.影響予測の高度化及び経済評価に関する研究
2−4温暖化の森林への影響と脆弱性の評価に関する研究

2)高感受性生態系への温暖化影響の予測と検出に関する研究[PDF](414KB)

(平成17〜19年のサブサブ課題「温暖化に伴う積雪環境の変化が植生に与える影響予測に関する研究」の内容を含む)

 独立行政法人森林総合研究所

 

 水土保全研究領域 山地災害研究室

大丸裕武

 森林植生研究領域 植生管理研究室

杉田久志(平成17〜19年)

 東北支所

中村克典

 関西支所

小南裕志(平成17〜19年)

 <研究協力機関>

 

 独立行政法人森林総合研究所 東北支所

市原 優

 千葉大学 海洋バイオシステム研究センター

安田正次

 電力中央研究所 環境科学研究所

朝岡良浩

  [平成17〜21年度合計予算額]52,719千円
(うち、平成21年度予算額 7,236千円
※予算額は、間接経費を含む。

[要旨]

 温暖化に対する感受性がとくに高いと思われる、積雪山地の植生とマツノザイセンチュウ病によるマツ枯れに対する温暖化影響について研究を行った。温暖化による積雪環境の変動が
山地植生に与える影響を正確に予測するには空間解像度が高い気候予測データの整備が重要となる。そこで、衛星画像を検証データとして用い山岳域での精度を向上させた3次メッシュの積雪分布データを整備した。亜高山針葉樹の分布には積雪環境が大きく影響していると考えられているが、積雪環境の異なる山岳域で実生と稚樹の生存率を調査した結果、積雪環境は更新初期段階の個体の生存率に強く影響することが明らかになった。また、上越山地の湿原は過去約40年間に顕著に縮小していることが明らかになった。縮小傾向は雪田草原型の湿原で著しく近年の暖冬の卓越傾向が影響していることが推定された。マツ林はわが国の二次林の重要な構成要素であるが、温暖化によるマツノザイセンチュウ病の拡大によって衰退傾向が加速することが懸念されている。積算気温から温暖化によるマツ枯れ危険域の変動を予測した結果、気温上昇が2℃を越えるとマツ枯れリスクの高いエリアが急激に拡大することが示唆された。