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[キーワード] ヒートアイランド、都市キャノピーモデル、SiB2、人工排熱量、土壌水分

[H-071 水・物質・エネルギーの「環境フラックス」評価による持続可能な都市・産業システムの設計]

(3)研究市活動に伴う水・エネルギーの地域フラックス解析システムの構築に関する研究[PDF](420KB)

 慶應義塾大学 環境情報学部

渡邉正孝

政策・メディア研究科 講師

丹治三則

<研究協力者>

 

慶應義塾大学 環境情報学部
政策・メディア研究科 助教

高崎健二

  [平成19〜21年度合計予算額] 32,287千円(うち、平成21年度予算額 10,091千円)
※予算額は、間接経費を含む。

[要旨]

  夏季の外気温の上昇は空調システムのエネルギー消費量を増加させ、夏季のCO2排出量を増加させる一因となっている。これまで各種のヒートアイランド対策が進められているが、民生業務部門の床面積が集中しヒートソースとなる都心部では、冷熱源が不足しており、雨水や地下水等の都市に均等に腑在する冷熱源を利用することが、問題解決の手段として有効と考えられる。
  そこで、本研究では冷熱源として雨水及び地下水に注目し、土壌水分量の変化をより精緻に表現することで、土壌の保水及び蒸散によって都市キャノピー気温を低下させる機構を評価可能な都市キャノピーモデルを開発した。これにより都市のキャノピー温度、地表面、土壌面の水・熱の移動が連続的に解析できるモデルとした。また、これに建築物からの人工排熱量を定量化して、都市の水・熱フラックスを解析するモデルを開発した。
  民生業務部門からの人工排熱量が大きい東京都心部を対象として、現況の地表面温度及びキャノピー気温の再現計算を行った。モデルによる計算結果は、2003年8月および2009年8月の現地観測データを用いて計算値の評価を行った。また、2002年8月に取得された衛星観測データを用いてテストエリア全域における面的な評価を行った。検証の結果からは、現況再現可能なモデルであることが確認された。