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[B−16 地球温暖化抑制のためのCH4、N2Oの対策技術開発と評価に関する研究]

(11)CH4、N2Oの重点対策ポテンシャルの評価に関する研究


[研究代表者]

国立環境研究所 地域環境研究グループ 開発途上国環境改善(水質)研究チーム

●稲森悠平

[環境庁国立環境研究所]

 

地域環境研究グループ 開発途上国環境改善(水質)研究チーム

●稲森悠平、水落元之


[平成11年度予算額]

23,056千円


[要旨]

 地球温暖化ガス(GHG)として重要な位置づけにあるCH4、N2Oの排出抑制対策技術の適用可能性に対する総合的な評価を目的として、各対策技術について削減効果や必要とされるコストなどの詳細情報を把握してとりまとめるとともに、適切な評価手法を検討した。最終的な評価手法としては、費用対効果分析をベースとすることで必要な検討を行った。ただし、対策技術の導入によりCH4、N2Oの排出削減効果以外にも、本来目的への影響やその他の波及効果が考えられ、総合的な評価の際にはこれらに対する評価も必要になると想定されるため、これらについても情報収集を行った。本研究では、評価手法を開発していく上で、これまでの知見の集積および効率性を考慮して、本プロジェクト研究で開発されつつある対策技術を対象とし、それぞれについて、対策技術の詳細、研究の目的、プロファイル(前提条件)、進捗度等の情報を可能な限り把握した。これらを基に現実的に設定可能な仮定を置くことにより、各対策技術について可能性のある削減率を算定し、当該対策技術が関連GHG排出量削減に対してどの程度のインパクトを持っているかについて、排出源カテゴリーごとに削減ポテンシャルの評価を行った。これらを基に費用対効果を検討したが、本来目的への影響やその他の波及効果を考慮しない場合の非常に大具繰りな試算の対策技術の費用対効果を試算したが、極めて初期的段階のものであり、現状として対策技術を適切に評価するには、更に充分な検証が必要とされた。
 上記のように、本研究では対策技術を評価・解析する上での基盤的知見は得られたものの、費用対効果の精度をより高めるためには、対策技術ごとの個別のベースライン設定や、既存データをさらに効果的に活用するための方策を検討することが重要であり、そのための研究体制・情報収集体制の整備が求められる。また、対策技術の評価として最終的な目標は、本来目的への影響やその他の波及効果を考慮することが必要であり、可能な限り定量的に社会や産業に与えるメカニズムの整理とモデル化を検討する必要がある。これらのことを踏まえた上で更に検討を行うと同時に今後の方策についての提案を行った。


[キーワード]

 CH4、N2O抑制対策技術、費用対効果、削減効果、総合的な評価、本来目的への影響、波及効果