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[B−16 地球温暖化抑制のためのCH4、N2Oの対策技術開発と評価に関する研究]

(2)自動車から排出されるN2O排出抑止に関する研究


[研究代表者]

交通安全公害研究所 交通公害部長

●小高松男

[運輸省交通安全公害研究所]

 

交通公害部 計測研究室

●小池章介、鈴木央一、後藤雄一


[平成10-11年度合計予算額]

10,675千円

(平成11年度予算額 5,253千円)


[要旨]

 自動車の排出するN2Oは大半が三元触媒車から排出される。また触媒が劣化するとN2O排出量は大幅に増大すると報告されている1)、2、3))。したがって自動車のN2O排出を低減するには触媒の対策が重要となる。なかでも触媒劣化が引き起こすN2O排出増大現象を防ぐことが出来れば、自動車からのN2O排出も大幅な低減が期待できる。
 そこで触媒が劣化するとなぜN2O排出が多くなるのかその理由を触媒の単体実験から調べた結果、触媒が劣化するとN2O生成濃度が増大する理由は、触媒で生成されるN2Oが増大するのではなく、触媒のN2O分解能力が劣化により低下し、生成されたN2Oが分解されずに排出されるためであることが判明した。この研究結果からN2O分解効率の高い触媒、N2O分解効率が長期の使用によっても低下しない耐久性の高い触媒の開発等による自動車のN2O排出抑止対策技術の方策が明らかとなった。
 さらに他のN2O低減対策技術として、触媒の雰囲気ガス酸素濃度を制御することによるN2O排出低減が出来るかを検討した。その結果、触媒入り口酸素濃度を200ppm以下に押さえる空燃比制御により、触媒の有害ガス浄化性能を失うことなくN2O排出量を大幅に低減できる技術の可能性を明らかにした。


[キーワード]

 N2O、温室効果ガス、自動車排出ガス、三元触媒