検索画面に戻る Go Research



(3.77Mb)

[B−12.海面上昇の影響の総合評価に関する研究]

(1)基礎的データの作成・収集と沿岸域の分類に関する研究


[研究代表者]

 

建設省国土地理院 地理調査部地理第二課長

●川口博行

[建設省国土地理院]

 

地理調査部 地理第二課

●太田正孝、乙井康成、大西純夫、吉川正幸、丹羽俊二、畠山裕司、山田美隆、羽生栄、清水雅行

(委託先) 東京大学 大学院理学系研究科地理学専攻

●米倉伸之、茅根 創


[平成9〜11年度合計予算額]

33,745千円
(平成11年度予算額10,444千円)


[要旨]

 海岸・沿岸域は、温暖化による海面上昇をはじめとする地球規模の環境変動の影響を直接受ける。さらに人口爆発や経済開発により、非常に大規模な人為的改変も生じると予想されている。こうした環境変動によって海岸・沿岸域本来の価値や資源が失われれば、地球生態系の健全性の維持と人類の生存にとって重大な事態に直面することになる。こうした問題に対応するためには、地球環境変動による海岸・沿岸域の応答と変貌の予測手法を開発・体系化したうえで、その成果をGIS(Geographic Information System:地理情報システム)による環境情報データベースに統合し、総合評価を行うシステムを構築することが有効である。
 本研究は、タイ国をモデル地域に海面上昇の影響の総合評価を行うために必要な地理情報システムの基礎データの取得と、取得したデータの精度が総合評価に及ぼす影響等についての検討を行うほか、影響評価の統合化のためのデータ処理に最も適合するGISの仕様に関する調査検討を行った。
 さらに、タイ国海岸において衛星土地被覆図を作成し、都市域、塩田、水田、森林、畑地、海域、サンゴ礁、マングローブを効果的に分類できることを示した。今後はこのアルゴリズムを用いて、1999年12月に打ち上げられたTERRAに搭載されたASTERを用いて、能動的に東南アジア地域の海岸・沿岸をモニタリングすることが可能である。また、タイランド湾の水温、塩分の観測結果に基づいて3次元流動モデルを構築し、同湾の流れが主に風によって駆動されており層重的であることが明らかになった。


[キーワード]

 海岸、沿岸、GIS、衛星リモートセンシング、土地利用、流動モデル