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[B−1 気候・物質循環モデルによる気候変動の定量的評価に関する研究]

(7)森林生態系を含む局地気候モデルによる局地気候変動の評価に関する研究


[研究代表者]

 

通産省資源環境技術総合研究所
環境影響予測部大気環境予測研究室

●近藤裕昭

[通産省資源環境技術総合研究所]

環境影響予測部 大気環境予測研究室

●三枝信子、村山昌平

首席研究官

●山本 晋


[平成9−11年度合計予算額]

11,876千円
(平成11年度予算額 3,956千円)


[要旨]

 岐阜県高山市郊外にある広葉落葉樹林での測定値を基に、森林の年間の生態系純生産量(NEP)、総生産量(GPP)、および生態系呼吸(R)を光合成有効放射量、気温、葉面積指数の関数として見積もった。このデータを基本として、年間の平均日射量と気温を変化させた場合の生態系純生産量の変化を調べた。他の条件を一定として日射量が10%増えた場合は年間のNEPは17%増加した。また梅雨期前後の日射量の減少は短期間でも年間のNEPの低下に大きく寄与することがわかった。年間平均気温を1℃上昇させると生育期間がのびて年間のGPPは増加するが、呼吸の温度依存性のほうが大きく、年間のNEPは11%減少した。
 複雑地形上にある高山の測定データの大まかな精度を調べるため、高山で得られたデータと植生データを用いて中部日本の生態系純生産量を植生区分毎に算出し、さらに人為起源の二酸化炭素排出をも考慮して夏期の二酸化炭素濃度変化のシミュレーションを行った。結果はおおむね測定値と一致した。また、結果より移流の効果や水平方向の非均一性に基づく濃度変化が大きいことがわかった。同じモデルを用いて雲量の変化に伴う夏期の生態系純生産量の変化を求めた。


[キーワード]

 落葉広葉樹林、生態系純生産量、二酸化炭素濃度変化、局地気候モデル