(2.58Mb) |
[研究代表者] |
|
国立環境研究所 |
●原沢英夫 |
[環境庁国立環境研究所] |
|
地球環境研究グループ統括研究官 |
●西岡秀三 |
目社会環境システム部環境管理研究室 |
●原沢英夫、高橋潔 |
(委託先) |
|
広島大学工学部 |
●福島武彦 |
37,643千円
(平成10年度予算額16,417千円)
温暖化の影響に関しては、IPCC報告をはじめ種々の研究成果が集積されつつあるが、市民生活にどのような影響が具体的に現れるかについての知見は不足している。一方、1994、95年の夏は日本の観測史上最高の猛暑を記録し、全国的に1〜2℃の気温上昇がみられ、各地で渇水が生じるとともに市民生活に種々の影響を与えた。本研究は、温暖化の日本への影響についてレビューを行うとともに、1994年及び95年の夏の猛暑の実態を気象データや社会・経済影響、とられた対応について検討し、温暖化の社会・経済影響とその検知に資する指標の体系化を行い、指標を用いた影響の検知のための方法について検討を加えることを目的としている。
初年度は、温暖化の日本への影響についてレビューを行い、種々の分野で予測される潜在的な影響について整理するとともに、94、95年の猛暑の影響を特定するとともに、一部については定量的な評価を試みた。その結果、温暖化は広範囲の分野において悪影響が予測され、社会・経済システムの脆弱性の拡大はそれを助長することが予想される。
2年度目は温暖化の日本への影響についてレビュー結果をもとに、温暖化の影響を検出するための指標について抽出するとともに、いくつかの指標については、従来蓄積されてきたデータを用いて検出指標としての定量的な評価を試みた。
最終年度は、温暖化検出に関する既存の知見をレビューするとともに、影響検出の方法論及び指標体系について検討した。さらに、内外の温暖化の影響に関する研究成果を踏まえ、今後の温暖化研究の展望作業を行い、結果をまとめ発表した。
温暖化、社会・経済影響、影響検出