研究成果報告書 J97D0250.HTM

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[D−2 東アジア海域における有害化学物質の動態解明に関する研究]

(5) 東シナ海域における有害化学物質の分布と起源に関する研究


[研究代表者]

厚生省 国立医薬品食品衛生研究所 化学物質情報部

●神沼 二眞

[国立医薬品食品衛生研究所]

化学物質情報部

●神沼 二眞・大竹 千代子・中田 琴子・山本 都・中野 達也


平成9年度予算額

3,879千円


[要旨]

 東シナ海域および隣接する西日本の沿岸海域は、環境悪化が近未来でもっとも急激に進み、その日本への影響が懸念される地域である。われわれは、この海域における有害化学物質の分布を把握し、起源を推定するための研究を開始した。対象となる有害物質としては、重金属、難分解性の有機化合物(いわゆるPOPs)、内分泌撹乱物質をとりあげた。この海域は、実測データが少なく、また既存のデータも、相互に比較検討される機会に乏しい。そのために地理情報システムを基盤として、各種の観測データ、調査データを相互に関連づけて解析する研究の基盤環境をまず開発した。つぎに、このシステムの上に、国連のGEMS計画や地方衛生研究所のデータを含む、調査収集した環境モニタリングデータを地図として表現するとともに、インターネットのWWWで閲覧できるようにした。

 とくにプラスチックの中間材料であるレジンペレットに関しては、ボランティア組織の協力をもえて、西日本全域の海岸を対象とした漂着レジンペレットの採集調査を行い、東シナ海域のいくつかの海岸が、高集積地点であることを見いだした。また、採集した試料を分析した結果、ノニフェノールなど複数のいわゆる内分泌物質を検出した。さらに、環境中のレジンペレットを研究、監視するための協力者のネットワークとして、インターネット上にPD Watchersというホームページを開設した。


[キーワード]

 東シナ海域、内分泌撹乱物質、地理情報システム、レジンペレット、PD Watchers