研究成果報告書 J96B1442.HTM

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[B−14 地球温暖化防止対策技術の総合評価に関する研究]

(4)エネルギー分野における重点対策の普及に当たっての技術的評価

熱利用分野の重点対策の評価


[研究代表者]

工業技術院機械技術研究所  ●矢部 彰

[通商産業省 工業技術院 機械技術研究所]

エネルギー部

 

●甲田壽男

エネルギー部

流体工学研究室

●矢部 彰

エネルギー部

熱工学研究室

●白石正夫・竹村文男


[平成6〜8年度予算額]

19,481千円

(平成8年度予算額 6,392千円)


[要旨]

 日本における全エネルギー供給量のうち、熱エネルギーとして利用されている割合は約5割である。また、全一次エネルギー供給量のうち、約6割は有効に利用されずエネルギー損失となり、主に熱エネルギーの形態で放出されている。このように、熱エネルギーの有効利用を図ることは、省エネルギーおよびそれを通した地球温暖化防止の上で極めて重要である。本研究では、未利用エネルギーの利用促進に関して、汚れた温排水からの熱回収について検討し、汚濁成分の分類、回収可能エネルギーの定量的評価、熱交換器の汚れによる性能低下の評価などを通じて、極限的な熱回収による地球温暖化の低減効果を見積もる。さらに、エネルギー有効利用の一層の促進のための課題の摘出によって、必要かつ有効な消費者側からのエネルギーフローマップ(逆エネルギーフローマップ)を作成し、エネルギー消費の観点から日常生活を考察するためのデータベースを提供する。汚れた温排水からの熱回収に関する研究においては、製鉄所高炉より排出される水砕スラグからの熱回収可能エネルギー量の調査を行うとともに、温水と蒸気による熱エネルギー輸送システムにおける二酸化炭素削減効果を、システムの初期投資、運転時の電力、維持費として汚れ付着による熱交換器の性能低下を含めて大まかに算出した。その結果として、排熱を利用したエネルギー輸送システムはコスト面を考慮しなけれぱ、二酸化炭素削減効果が大きいことが示された。一方、熱利用分野の重点対策を評価するため、エネルギー利用形態に占める熱利用関連の割合を明確にする目的で、消費者側からの視点で構成したエネルギーフローマップ(日常生活に基づく利用形態別エネルギー消費量)を新たに考案し作成した。産業用、運輸用、民生用の全エネルギー使用量を、人間生活の切り口で分解し、表の形に整理した。具体的には、衣、食、住、仕事・学校、社会の5つに大分類し、各分類を小項目から構成した。使用エネルギーとしては、製造エネルギー、原材料製造エネルギー、損失、エネルギー変換ロス分を含む環境への放出分、使用時の消費エネルギーを計算し、示した。また、消費エネルギーの計算に当たっては、エネルギー使用統計、産業連関表を使用して積算し、平成3年の国民一人当たりの平均エネルギー消費量5,150Wと比較検討した。現在まで、約3,800W分をブレークダウンすることが出来、約25%分が未解明である。今後、産業連関表をより活用し、未解明分を減少させる予定である。


[キーワード]

排熱回収、汚濁流体、輸送効率、エネルギーフロー