研究成果報告書 J96B0423.HTM

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[B−4 シベリア凍土地帯における温暖化フィードバックの評価に関する研究]

(2)シベリアの森林における温室効果ガス発生量へのフィードバック

4超要因が森林動態に及ぼす影響の解明


[研究代表者]

国立環境研究所地球環境研究グループ

温暖化現象解明研究チーム  ●竹中明夫

[環境庁 国立環境研究所]

地球環境研究グループ

温暖化現象解明研究チーム

●竹中明夫・井上 元

(委託先)

茨城大学

●山村靖夫


[平成6〜8年度合計予算額]

15,470千円

(平成8年度予算額 5,167千円)


[要旨]

 シベリア北部の森林帯(タイガ)とツンドラ地帯との移行帯では、カラマツ属の植物が高木層の主要な構成種となっている。本研究課題では、北限の森林を構成するカラマツ林の動態をさぐる目的で、カラマツ個体の樹齢構成と空間分布パターンおよび樹高成長パターンの解析を行った。一定面積の調査地の全カラマツ個体の齢を調べたところ、個体の齢の分布は均一ではなく、数年から数10年のはばの期間に集中していた。これは、新しいカラマツ個体の定着に適した時期とそうでない時期があったことを示唆する。空間分布に関しては、数個体のカラマツが近接して数mスケールのパッチ状になって生育している例が多い。これは新個体の定着に必要なミクロな条件が空間的に不均一に分布していることを示唆するが、その条件がどのようなものかは明らかではない。
 森林構造の空間的な不均一性を調べるために長さ600m足らずのベルト状調査区を設定して行った調査では、老齢木と思われる個体のみが散在して小個体がまったくない場所と、若齢と思われる個体のみが生育している場所とがモザイク状に混在する様子が明らかとなった。稚樹の年齢は10年前後がもっとも多く、最近5年以内に発生したものはなかった。年輪データの解析から成木の過去の樹高成長を再構成したところ、定着後のしばらく、および最近数十年間は成長が緩慢で、そのあいだに活発に生長する時期を挟む成長パターンを示した。
 一年毎の枝の伸長量を過去に溯って計測したところ、ある地域内の個体間でほぼ同調した成長の良し悪しのパターンがあった。これは、個々の個体の置かれた条件ではなく、気温、降水などの気候要因の影響を反映したものと推定される。年ごとの環境変動に対する成長反応は、長期的な気候変動への森林の反応を予測する手がかりとなる。今後さらに解析を進める必要がある。


[キーワード]

カラマツ林、森林構造、樹高成長、樹齢、伸長成長