研究成果報告書 J96B0421.HTM

検索画面に戻る Go Research



(641Kb)

[B−4 シベリア凍土地帯における温暖化フィードバックの評価に関する研究]

(2)シベリアの森林における温室効果ガス発生量へのフィードバック

 /肯喟限峽呂砲ける一次生産と二酸化炭素収支


[研究代表者]

農水省 林野庁 森林総合研究所 北海道支所 育林部長  ●金澤洋一

森林総合研究所

北海道支所

育林部

樹木生理研究室

●森 茂太

    〃

   〃

 〃

土壌研究室

●松浦陽次郎

    〃

東北支所

育林部

多雪地帯林業研究室

●梶本卓也

元森林総合研究所

北海道支所

育林部

(現龍谷大学)

●大澤 晃

(委託先)

東京農工大学

農学部

 

●小池孝良


[平成6〜8年度合計予算額]

20,450千円

(平成8年度予算額 7,015千円)


[要旨]

 東シベリアの連続永久凍土分布帯に成立したカラマツ森林ツンドラ生態系と、中央シベリアのカラマツ林生態系の、地上部・地下部現存量、土壌有機炭素・窒素集積量、C/N比、等の調査を行った。森林の現存量のうち約3〜4割を地下部現存量が占め、細根量を考慮すると地上部現存量と地下部現存量はほぼ等しいと考えられた。このような現存量配分比は冷温帯域のカラマツ人工林、中央シベリアのアカマツ林においても見られず、連続永久凍土地帯のカラマツ林生態系に特有な現象であると考えられた。根系の成長は同一個体の側根でも同調せず、根の成長には林床の微地形が作りだす地温・水分環境が影響していると考えられた。過去の材積成長と林分レベルの機能量の関係が見いだされ、過去の機能量復元の手がかりとなる数学的な取り扱いの可能性が示唆された。
 東シベリアのカラマツ森林ツンドラには、有機質土壌およびポドゾル性土壌は卓越せず、多くの土壌は土壌有機炭素に対して窒素集積量が比較的大きい特徴を持っていた。そのため周極域の土壌としてはC/N比が15以下の土壌が多かった。一方、中央シベリアのカラマツ林土壌と東シベリアの山岳森林ツンドラ土壌ではC/N比が20前後であり、他の周極域の土壌と類似していた。
 高温・高二酸化炭素条件下で、シラカンバの生育実験を行った。その結果、ヤクーツク産のシラカンバの方が日本産よりも高二酸化炭素分圧下の順化適応能力が高かった。
 一次生産物の地下部への配分、機能量復元に基づく過去の二酸化炭素と現在の二酸化炭素濃度の森林成長に与える影響の検出、潜在的に窒素集積量の大きい東シベリアの永久凍土における温暖化影響の発現機構など、今後の研究方向が示された。


[キーワード]

地上部・地下部現存量、土壌有機炭素、C/N比、永久凍土、カラマツ林生態系