研究成果報告書 J96B0412.HTM

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[B−4 シべリア凍土地帯における温暖化フィードバックの評価に関する研究]

(1)シベリアの湿地における温室効果ガス発生量へのフィードバック

凍土からのメタンの発生に対する温暖化影響


[研究代表者]

国立環境研究所 大気圏環境部  ●井上 元

[環境庁 国立環境研究所]

地球環境研究グループ

温暖化現象解明研究チーム

●野尻幸宏、町田敏暢、S.マクシュートフ

大気圏環境部

上席研究官

●井上 元

 

大気動態研究室

●遠嶋康徳、高橋善幸、M.ソローキン


[平成6〜8年度合計予算額]

41,818千円

(平成7年度予算額 12,893千円)


[要旨]

 シベリアの大部分を占める凍土地帯は、アラスカやカナダの凍土地帯と異なり水の含有率が高いのが特徴である。.▲ぅ好灰鵐廛譽奪スと呼ばれる凍土が現在融解をつづけているので、その中に含まれるメタンが大気中に放出される量を見積もるための観測研究を行い、直接放出されるメタンの量は2〜10Tg/年であることを明らかにした。温暖化の結果アイスコンプレックスの融解が加速される場合は、このプロセスも無視できない。▲轡戰螢△離張鵐疋蘆和咾妊瓮織鵑糧生量を測定し、地温や融解深度とメタンの発生量の関係を明らかにした。メタン発生量はもっともメタンの発生の大きい時には80咫殖2/dayにも達するが、天候により大きく変動することが分かった。現在はメタンの発生時期が短いのでグローバルには小さい部分に過ぎないが、温暖化の結果地温が零度以上の期間が長くなれば温帯・亜寒帯域の湿原に劣らないメタン発生源になる可能性があることが分かった。2甬遒了害仍や森林伐採の結果、アイスリッチな凍土が融解し生成した凍土上の湖沼からのメタン発生量を測定した。湖沼の周辺の状況により湖沼全体からのメタン発生量は大きく異なるが、直径100m程度の小さな湖沼では160mg/m2/day、500m程度の大きな湖沼では140咫殖2/dayであった。同位体分析の結果から二酸化炭素と水素からメタンの合成が起こっていると推定した。温暖化の結果凍土が融解しメタンが発生する可能性については、湖沼が出現した場合のメタン放出量の推定に必要なデータが得られるので、今後はアイスリッチな凍土の分布と、降雨量の変化に伴う火災の頻度の変化の推定が必要である。ぜ掌兇らのメタン発生量が温暖化によりどの様に変わるかを推定する上で、土壌内プロセスを理解することが重要である。現在溶存メタン濃度の測定や、これを決める因子についての研究が進行中である。


[キーワード]

永久凍土、メタン、フラックス、湿原、炭素同位体比