研究成果報告書 J96B0411.HTM

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[B−4 シベリア凍土地帯における温暖化フィードバックの評価に関する研究]

(1)シベリアの湿地における温室効果ガス発生量へのフィードバック

 .轡戰螢△亮然湿地からのメタン発生総量推定に関する研究


[研究代表者]

国立環境研究所  ●井上 元

[環境庁 国立環境研究所]

地球環境研究グループ 温暖化現象解明研究チーム

 

●野尻幸宏、向井人史、町田敏暢、マクシュートフ

大気圏環境部 上席研究官

●井上 元

大気圏環境部 大気動態研究室

●遠嶋康徳、高橋善幸、中野智子、M.ソローキン


[平成6〜8年度合計予算額]

40,786千円

(平成8年度予算額 13,366千円)


[要旨]

 IPCCの94年の報告書1)にも述べられているとおり、大気中メタンの発生源は、人為発生源と自然発生源に大きく分類されるが、自然起源からのメタン発生量の評価はその中で最も不確定さが大きい。これは自然湿原からのメタンの発生が単位面積当たりの発生量は少ないが極めて広い面積に分布すること、降水量や気温など自然条件の変動により発生量が時間的に大きく変化すること、湿原へのアクセスが一般に困難であることなどに起因する。中でも西シベリアには世界再大規模の湿地があり、メタンの大きな発生源であると予想されるが、ここでのメタン発生の観測の例は全くない。その総量を推定することは、自然起源のメタン発生量推定の不確定さを少なくするために重要である。また、気候変動の影響を明らかにするためには、環境要因とメタンの発生量の関係を定量的に明らかにする必要がある。
 92年以来94年までの三年間、大型の航空機によるメタンの広域濃度分布測定を西シベリアと東シベリアで行なったが、95年は年間発生量を見積る目的で、従来の観測時期(二週間)を二ヶ月に大幅に期間を広げた観測を行った。
 94年度から96年度にかけては、航空機観測に加え西シベリア南部の典型的な高層湿原で、チャンバー法などの方法でメタンのフラックス測定を行った。メタンの発生は地温と正の相関を有しており、全体としては水位の高い湿原の中心から乾燥した森林に近い方向にむけてメタンのフラックスが減少していた。また、植生との関連も明らかになった。
 シベリアでは世界で最も内陸的な気象となっており、夜間は短いにも係わらず強い逆転層が発生しており、逆転層内に蓄積されるメタンの量を測定、夜間の平均的なメタンフラックスを求める方法は、他の方法にくらべ信頼性が高いことが93年の調査で判明したので、94年はその方法を中心に高精度の観測を行った。


[キーワード]

シベリア、メタン、温暖化、発生量、湿原