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| [研究代表者] | ||
| 東京都立大学 ●可知直毅 | ||
| [環境庁 国立環境研究所] | ||
| 地球環境研究グループ | 野生生物研究チーム | ●椿 宜高・高村健二 | 
| 森林減少・砂漢化研究チーム | ●奥田敏統 | |
| (委託先)自然環境研究センター | ●安田雅俊・石井信夫 | |
24,178千円
(平成6年度予算額 7,722千円)
58種の木本植物の果実について、白動撮影装置を用いて、訪れる果実食者群集を調査した。哺乳類24種、鳥類5種、爬虫類2種が記録された。これらの動物の多くが、貯食行動をもつことから種子捕食者としてだけでなく種子散布者としても重要であることが示唆された。また、2種のフタバガキ科(Shorea leprosula、 Neobalanocarpus heimii)の実生の林冠ギャップに対する生存と生長反応を調べた。林冠下において、移植後1年間にShoreaは生存率が低下したのに対して、Neobalanocarpusは90%以上生存した。稚樹の樹高生長は、両種ともギャップの直下で最もよかったがShoreaの方が生長速度が高かった。幹・枝の乾重と葉の乾重との間の相対生長関係から、生長に伴って支持器官の割合が増加していくことが示された。さらに、低地熱帯雨林での稚樹の個体群動態と分散構造を明らかにする目的で、パソー森林保護区内の50ヘクタールプロットで取得された2回のセンサスデータの解析を行った。その結果、上層と下層植生とでは群落の構造的な安定性に違いがあることが推察された。また、パソの森の林冠構成種の一つであるPentaspadon motleyiの実生の生存過程について調べたところ、親木に近いエリアでの実生の死亡率が高いことが分かった。
熱帯林、植物と動物の相互作用、生物多様性、稚樹の定着、種子散布